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女満別温泉「ホテル湖南荘」破産手続き開始決定 新型コロナ関連倒産

投稿日 : 2020.08.25

北海道

ホテル関連ニュース

女満別温泉「ホテル湖南荘」運営の株式会社湖南荘(大空町女満別湖畔1丁目1-2、資本金2900万円)が、8月19日、釧路地裁網走支部において破産手続き開始の決定を受けた。負債総額は約1億2000万円。

網走湖(出典:Wikipedia)

株式会社湖南荘は昭和37年7月に創業、昭和48年1月に法人化、「ホテル湖南荘」を運営していた。当施設は女満別駅から徒歩2分の立地にあり、客室27室の日帰り入浴も出来る小規模老舗温泉ホテル。モール泉の冷鉱泉を加温して使用しており、保湿効果が高く”美人の湯”として知られていた。

帝国データバンクによると、「ホテル湖南荘」は国内消費の落ち込みにより、結婚式利用の減少や周辺ホテルとの競合で売上高が減少していた。さらに新型コロナウイルスの影響で2月以降の宿泊客が激減し、感染防止のための自粛で宴会利用も無く、4月22日から休業していた。収束時期が見通せないことに加え、後継者も不在で、事業継続を断念したという。新型コロナウイルス関連の経営破綻は、北海道で25件目。破産管財人には川瀬敏朗弁護士(弁護士法人オホーツク北斗)が任命されている。

東京商工リサーチ(TSR)は、8月18日17時までに、新型コロナウイルス関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が4件(倒産4件)発生、2月からの累計は、全国で420件(倒産357件、弁護士一任・準備中63件)に達したと発表した。内訳は飲食業が64件で最多、アパレル関連50件、宿泊業41件と続く。なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は13件判明している。

「Gotoトラベル」の効果は限定的なものでしかなく、需要急減が引き金となって、ホテルや旅館など宿泊業界の倒産は全国各地で加速度的に増加。特に、訪日市場や東京オリンピックの特需を当て込んで急拡大してきた事業者は経営基盤のもろさが浮き彫りになっている。新型コロナウイルスの影響が長引けば長引くほど、事業環境の悪化に耐えきれない宿泊事業者が出てくる可能性は否定できない。

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