ホテル特化型メディア

眠っていたデータから新たな付加価値を

トップ > インバウンド > 「J.D. パワー 2023年ホテル宿泊客満足度調査℠」:宿泊客満足度低下、急増するインバウンド需要と人手不足が要因か

「J.D. パワー 2023年ホテル宿泊客満足度調査℠」:宿泊客満足度低下、急増するインバウンド需要と人手不足が要因か

投稿日 : 2023.11.22

インバウンド

ホテル関連ニュース

J.D. パワー ジャパンが実施した「J.D. パワー 2023年ホテル宿泊客満足度調査℠」の結果が公表された。本調査は17回目の実施であり、2019年以来中断されていた「アップスケールホテル部門」を含む3部門での調査が行われた。

(出典:J.D. パワー ジャパン

インバウンド需要の急激な増加などを理由に、ホテルの客室稼働率はコロナ禍前の水準に回復しつつある。調査の結果として、宿泊料金の大幅な上昇に加え、業界の人手不足によるサービス水準の低下などを要因に、ミッドスケールとエコノミーホテル部門の宿泊客満足度は低下した。今後どの部門においても、急増するインバウンド需要による値上がりに対して宿泊客の満足度を低下させず再宿泊意向の水準維持できるかが注目できる。

(出典:J.D. パワー ジャパン

また、宿泊料金の上昇にも関わらず、コロナ禍前より宿泊客の満足度が高い理由の一つは、朝食などの料飲サービスの評価の向上にある。特に、料理・飲み物の種類や設備の充実が評価されている。地域の特産や季節感のある料理の提供は、朝食満足度を100ポイント以上向上させ、総合満足度にも寄与している。しかし、朝食の喫食率は依然として向上の余地があり、これを高めることで客満足度のさらなる向上が期待される。

各部門の総合満足度ランキングでは、アップスケールホテル部門でヒルトンが最高点を獲得し、ミッドスケールホテル部門ではOMO by 星野リゾート、エコノミーホテル部門ではスーパーホテルがそれぞれトップとなった。調査は日本全国のホテルグループ・チェーンを対象に行われ、宿泊客満足度を1,000ポイント満点で算出している。

今後のホテル業界では、宿泊料金の上昇が予想される中で、宿泊客満足度の低下を抑え、再宿泊意向の水準を維持することが重要とされる。また、朝食の喫食率向上を目指すことが、顧客満足度の維持・向上に貢献すると考えられる。インバウンド需要の急増と人手不足の中、今後の業界の動きに注目だ。

関連記事