2023年8月最新の沖縄県のホテル開業状況をお伝えする。
沖縄県のホテル開業分布
メトロエンジンリサーチによると、沖縄県の新規開業ホテルの分布は特定エリアに集中せず、沖縄県全域の幅広いエリアで新規ホテルの開業が進んでいる。敢えて申し上げれば、那覇市に隣接する豊見城市(とみぐすくし)は3施設の開業を予定しており、開業施設数はトップとなっている。
沖縄県の新規開業施設は幅広いエリアに分布
沖縄県シェア(施設数)
順位 |
沖縄県 | 部屋数(推定) | シェア |
1位 |
豊見城市 |
3 施設 | 21.4 % |
2位
|
宮古島市 |
2 施設 |
14.3 % |
国頭郡 恩納村 |
2 施設 |
14.3 % | |
石垣市 |
2 施設 |
14.3 % | |
名護市 |
2 施設 |
14.3 % | |
3位 |
浦添市 |
1 施設 |
7.1 % |
国頭郡 今帰仁村 |
1 施設 |
7.1 % | |
国頭郡 大宜味村 |
1 施設 |
7.1 % | |
合計 |
14 施設 |
出典:メトロエンジンリサーチ
先程もお伝えした通り、沖縄県の新規開業施設は特定エリアに集中することなく、幅広く分布している。
理由を推察すると、沖縄県全域に観光資源が幅広く分布していることがあげられる。
例をあげると、那覇市周辺は、沖縄県の県庁所在地であり、国際通りや首里城跡など観光スポットが集中。ショッピングから観光まで幅広く楽しめるエリアである。名護市エリアは、世界的に有名な美ら海水族館があり、周辺エリアには美しい海岸線や観光地がある。
恩納村・読谷村エリアは、美しいビーチやリゾートホテルがあり、シュノーケリングやダイビングなどのアクティビティが楽しめる。宮古島は透明度の高い海と美しい砂浜が魅力で、読谷村エリア同様にシュノーケリングやダイビングが楽しめる。石垣島は、石垣市周辺に観光スポットやダイビングスポットが点在しており、石垣牛などのローカルフードも楽しめる。
この様に、沖縄県は観光資源が県全体に幅広く分布しており、他県と比較した際に、新規開業ホテルが一つのエリアに集中しない理由として推察できる。
沖縄県シェア(部屋数)
出典:メトロエンジンリサーチ
こちらのグラフは、沖縄県の新規開業ホテルの部屋数(推定)のシェア。宮古島のシェアが高いのは、1,726室の大型ホテルの建設が予定されているためだ。この施設「(仮称)保茶根(ほちゃね)カントリークラブ」については、次のチャプターで詳しく紹介していく。
沖縄県の新規開業施設を一部紹介
メトロエンジンリサーチによると、2023年〜2027年に沖縄県で開業予定の部屋数トップ3は以下の通り。
順位 |
施設名 | 部屋数(推定) | 開業予定時期 |
1位 |
(仮称)保茶根(ほちゃね)カントリークラブ |
1,726 室 | 2027年01月01日 |
2位 |
(仮称)インターコンチネンタル沖縄美らSUNリゾート |
373 室 | 2023年12月31日 |
3位 |
(仮称)グランヴィリオリゾート沖縄大宜味村 |
200 室 | 2025年12月31日 |
出典:メトロエンジンリサーチ
1位の「(仮称)保茶根(ほちゃね)カントリークラブ」は、約136万平方メートルの広大な敷地に、全18ホールのゴルフコースとホテル、ヴィラなど66棟1,726室を整備する計画だ。10~11階建てホテル13棟(1,560室)に戸建てヴィラ46棟(46室)、5階建てレジデンス2棟(120室)、クラブハウス2棟、メンテナンス4棟を建設予定。ゴルフコースは18ホール、7,204ヤードとなっており、起伏に富んだ地形を生かしたコース設定でプロトーナメントも開催可能なチャンピオンコースを予定している。
2位の「(仮称)インターコンチネンタル沖縄美らSUNリゾート」は、ホテル棟とヴィラウィングの2つの棟から構成された開放感溢れる空間に、インターコンチネンタルのモダンラグジュアリーを掛け合わせた、洗練された真のラグジュアリーリゾートを目指している。客室は全373室となっており、その他、4つのレストランやバー、温泉大浴場、リクリエーションセンター、宴会場やミーティング施設、インドア・アウトドアプールにフィットネス、チャペルなどを整備する予定となっている。
3位の「(仮称)グランヴィリオリゾート沖縄大宜味村」は、ルートイングループが展開している「グランヴィリオ」を冠したハイクラスなリゾートホテルブランドだ。建設予定地は、大宜味村塩屋の「結の浜」。海のすぐそばに位置し、雄大な自然とと、非日常を味わえる地上4階と地下1階建の建築となっている。客室は200室。その他、レストランや大浴場、プールなどの施設が備えられる予定だ。
幅広いエリアで開発が進む沖縄
沖縄は美しいビーチや自然環境、歴史的な名所が魅力の日本有数の観光地の一つであり、近年では世界からも注目される観光スポットだ。特にアジア地域からの観光客が増加しており、中国、韓国、台湾などからの人気が非常に高い。
過去の沖縄のホテル開発は那覇市周辺が中心となる傾向があったが、近年は「美ら海水族館」のある名護市エリア、美しいビーチが魅力の恩納村・読谷村エリアや宮古島・石垣島に代表される離島エリアなど、開発エリアが県内全域に拡大している。
四方を美しい海で囲まれた絶好の自然環境と、日本の中でも独自の文化を持つ沖縄には、まだまだ未開発なエリアも多数存在するため、今後さらに広範囲なエリアでの新規ホテル開発が進むことが予想される。
コロナ禍が一定の落ち着きをみせ、国内ならびに海外からの訪日外国人の旅行需要も高まっている沖縄。幅広いエリアで開発が進むことにより、旅行客は那覇市を玄関口として、沖縄県全域を周遊する長期滞在の動きがさらに増加する可能性がある。
結果、沖縄県内での旅行消費額の増加し、投資対効果が実感できれば、さらに広範囲で開発が進んでいく好循環が生まれることも期待されている。
関連記事