日本の玄関口、成田国際空港を有する千葉県成田市、国際化が進む羽田空港が所在する東京都大田区。首都圏の両空港が立地する両市・区におけるホテル展開状況についてメトロエンジンリサーチにより比較分析した。
既存のホテル展開対決ー羽田に軍配
まず、既存の施設数と部屋数を比較した数値が以下の通りだ。
・成田市ー宿泊施設64、部屋数9,311室
・大田区ー宿泊施設125、部屋数10,369室
既存の施設数では大田区が成田市を2倍近く上回った。他方で部屋数は僅差となり、成田市の施設が大規模な施設が多いことがわかった。
成田市ホテル展開マップは以下の通り。
出典:メトロエンジンリサーチ
大田区のホテル展開マップは以下の通り。
出典:メトロエンジンリサーチ
新設ホテル開発対決ー羽田に軍配
・成田市ー宿泊施設 無し
・大田区ー宿泊施設7、部屋数2,469室
成田市では新規開業予定のホテルは確認できなかった。他方で大田区では多数の新規開業予定が確認でき、客室数の割合では約25%の激増が見込まれている。
大田区の新規開業予定マップは以下の通り。
出典:メトロエンジンリサーチ
羽田空港の国際化により大田区が新規開業予定では成田市に圧勝した。
1km2あたりの部屋数対決ー羽田に軍配
・成田市ー43室
・大田区ー169室
1km2あたりの部屋数でも大田区は成田市に約4倍の差をつけて圧倒した。
私有地と公共の福祉をめぐる「成田闘争」が長年続いた成田国際空港だが、現実には羽田空港が国際化するに伴いその地位の後退が指摘されており、所在する両市・区ホテル展開状況の本分析からも羽田空港の立地する大田区に比べて成田市の退潮が明らかとなった。
こうした中で、直近では成田国際空港は羽田空港に対抗すべく、夜間飛行制限の緩和と深夜フライトの拡充や長距離の新規就航の3年間着陸料無料化などの新たな対抗策を打ち出しており、今後の展開に注目だ。
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