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RevPAR(販売可能な客室1室あたりの収益)

投稿日 : 2018.08.22

RevPARとは「Revenue per available room」の略語で、「販売可能な客室1室あたりの収益」を意味し、一般的にホテル業界などの財務パフォーマンスを計る指標として使われる専門用語。

客室価格やその稼働率から換算するもので、経営状態を判断するための重要な基準の1つと考えられている。

RevPARの計算方法は?

RevPARには2通りの換算方法がある。1つは、一定期間内の収益を、同じ期間の販売可能客室数で割るという方法。もう1つは、1日当たりの平均客室単価(ADR)と、稼働率(OCC)を掛け合わせて算出する方法だ。

では、ここでAホテルの四半期のRevPARを計算してみよう。

例えば、
客室数:100室
平均客室単価:1万円
平均稼働率:75%
四半期の営業日数:90日

をAホテルの基本情報とすると、この期間の総売り上げは、
(100室 × 1万円 × 75%)× 90日 = 67,500,000円
一日当たりの収益と営業日数を掛け合わせて6,750万円となる。

この結果を踏まえ、収益を販売可能客室数で割る1つ目の計算方法でRevPAR算出すると、
67,500,000円 ÷ 9,000室(100室 × 790室) = 7,500円
となる。

また、平均客室単価と稼働率を掛け合わる2つ目の計算方法では、
1万円 × 75% = 7,500円
という数字になり、いずれの方法でも、AホテルのRevPARは7,500円という結果になった。

RevPARは客室1室ベースの収益性を知る重要指標

RevPARは、ホテル業界においてはほぼ間違いなく最も重要な比率であるとみなされている。というのも、RevPARは客室単価と稼働率から換算するもので、RevPARを見ればホテルにどの程度の収益性があるかを大まかに把握することができるだけでなく、どれほど改善の余地があるかを知る手立てにもなるからだ。

ここで注意すべき点は、RevPARは客室1室ベースで計算するものであるということ。例えば、AホテルのRevPARがBホテルよりも高かったとしても、Bホテルがより多くの客室を有しているとすれば、全体の収益はAホテルのほうが少なくなる。

RevPARの高さが収益の高さに必ずしもつながらないということには注意しておきたい。

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