新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言について、栃木県を除く10都道府県にて2月7日までの期限を3週間~1ヶ月間延長する見込みだ。
栃木県は宣言解除となる見込み
緊急事態宣言の延長の対象となるのは、東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・岐阜・大阪・京都・兵庫・福岡の10都道府県だ。現在、緊急事態宣言の対象となっている栃木県については、新規感染者数が減少傾向にあることや、その他の対象地域と生活圏が異なることなどから解除する方針とのこと。ただし10都道府県についても、感染状況や医療提供体制が改善すれば、期限を待たずに解除される見込みだ。
今月2日に諮問委員会を開き、専門家の意見を聴取し、政府が緊急事態宣言の扱いを判断するとのこと。
西村経済再生担当大臣は衆議院内閣委員会で緊急事態宣言の扱いについて「感染状況や医療体制の逼迫状況を響いたり、都道府県と確認したりしている。状況を見極めつつ、近日中に諮問委員会を開いて考えを示し、専門家の意見を聞いた上で判断していきたい」と述べた。
政府は宣言解除の基準として、新型コロナウイルス感染症対策分科会が示す基準で「ステージ4」から「ステージ3」へ移行することを目安としていた。ただし「ステージ3」に移行すれば自動的に緊急事態宣言が解除されるわけではなく、医療提供体制や都道府県の意向などを検討した上で総合的に判断される。
分科会の尾美会長は緊急事態宣言の対象となっている11都道府県の感染状況について「比較的短期間に減少傾向を見ているが、地域ごとを見ると、まだ感染の水準が高く、医療の逼迫が相変わらず続いているのが現状だ」と指摘。そのうえで「すぐにリバウンドせず、比較的低位に感染のレベルを維持できるようなしかたで解除することが必要だ」と述べており、「ステージ3」に下がるだけでなく、その後「ステージ2」に下がる見通しがあることが重要だと示した。
東京の陽性者数は1月7日の2,447人をピークに、1月31日には633人まで下がっている。大阪の陽性者数は1月8日の654人をピークに1月31日には214人まで下がっている。その他の地域でも感染者数は減少傾向が見られ、緊急事態宣言発出前の水準に近づいた。今後は神奈川や大阪で依然高い水準となっている病床使用率などの医療提供体制が改善されることが期待される。