首都圏1都3県の緊急事態宣言を3月21日の期限で解除するかについて、菅総理大臣は衆議院予算委員会で「今言える状況ではない」と述べ、専門家の意見も聞きながら判断する考えを示した。
病床使用率は緩やかに改善
緊急事態宣言は1月7日に発出。1都11県が対象だったが、感染状況が改善してきたことから現在は東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県のみが対象となっている。3月7日に2度目の期限を迎えたが、病床の逼迫を理由に3月21日まで2週間延長された。
内閣官房の集計によると、1都3県の病床使用率は延長前後(4日、12日)で東京30%⇒26%、千葉46%⇒42%、神奈川28%⇒26%、埼玉41%⇒40%と緩やかながら改善傾向にある。解除の目安である「ステージ3」の上限50%をいずれも切っており、下限の20%に近づいている。
一部報道では病床の指標が改善傾向にあるため、緊急事態宣言を21日までで解除する方向と報じられたが、菅総理大臣は「2週間延長した際には病床が逼迫していたので、そこを改善したいということだったが、ここに来て新規感染者数の下落率が横ばいになっている。いま、宣言を延長するかどうか言えるような状況ではない」と述べ、専門家の意見も聞きながら最終的に判断する考えを示した。
また政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長は「緊急事態宣言の効果はあったと思うが、下げ止まりがどういう原因で起きているのかを分析しないで判断することは避けたほうがよい」と述べている。
昨年末より全国で一時停止になっている「Go To トラベル」については、2週間の再延長の際に3月中の事業再開は「現時点ではなかなか難しいだろう」と菅総理大臣が述べていることから、緊急事態宣言が解除となったとしても、早期の再開とはならないだろう。