8月31日(金)から9月2日(日)にかけて沖縄県沖縄市で開催される沖縄全島エイサー祭り。同祭の開催期間と今夏の沖縄市のホテル客室在庫状況とは。
沖縄市の客室在庫状況
メトロエンジンリサーチによると、沖縄市ではホテルや旅館などの宿泊施設が57、客室数にして951が提供されている。沖縄市のエイサー祭り開催期間と今夏の客室在庫状況は以下の通りである。
出典:メトロエンジンリサーチ
上記のグラフの通り、エイサー祭り開催期間の8月31日(金)から9月2日(日)にかけて客室在庫数が著しく少なくなっていることがわかる。また、全体的に在庫が目立つのはツインルームとなっており、シングルルームの在庫は平日においても少なくなっている。また、同祭り期間以外の日にちにおいては、平日と土日の客室稼働率の差異もそれほど大きくないのも他の都市と比べた際の特徴といえよう。
沖縄市の全島エイサー祭りには30万人の観光客が詰めかける。同市のホテル不足は他市に影響しているのだろうか。
周辺都市への影響は
同市の東隣にあるうるま市の客室在庫状況を見てみよう。うるま市には現在、宿泊施設が64、部屋数にして484が提供されている。
出典:メトロエンジンリサーチ
上記のグラフの通り、うるま市のエイサー祭り開催期間中の客室在庫数は減少があまり見られず、同祭りによる影響は軽微とみられる。
このように、エイサー祭り開催期間中の周辺都市への影響は沖縄市のホテルが不足している割に確認できなかった。その原因はなんであろうか。
イベント民泊がホテルの不足を緩和か
この原因として考えられるのは、イベント民泊である。
沖縄市では現在70室の民泊物件が提供されている。これらの物件は定期的に民泊として利用されている物件だが、これとは別にイベント開催時に宿泊施設が不足することが見込まれる場合に、開催地の自治体の要請等により、旅館業に該当しないものとして取り扱い、自宅提供者において、旅館業法に基づく営業許可なく、宿泊サービスを提供することを可能とするのがイベント民泊の制度である。
エイサー祭りは沖縄市によりこれが適用されており、イベント民泊の際に特別に貸し出しを行なっている物件が多数存在するため、こうした民泊物件がホテルなどの宿泊施設の不足を埋め合わせることから、市外のホテルへの影響が軽微となっている可能性が高いと言えるだろう。
【関連記事】
「【夏祭りシーズン到来!①】東北祭り開催地の宿泊施設の客室在庫分析」
「ホテル横浜ガーデンがベイスターズ初の公式ホテルにー横浜市中区の夏休みホテル客室在庫状況」
「夏本番!海開きの江ノ島海水浴場ー藤沢市の宿泊施設展開状況」
「「海の日」固定化論争ー三連休解消による地方都市への影響は」