マリオット・インターナショナルは、多国籍犯罪に対抗するグローバルな取り組みとして、ホテル内で人身売買の兆候の見分け方や、実際、そのような兆候を発見した際の対応方法について、50万人のホテルスタッフにトレーニングを実施した。
人身売買の兆候をいち早く識別するためのトレーニング
マリオットは、同社の堅牢な持続可能性と社会的インパクトのプラットフォームである「Serve 360:あらゆる角度からの社会貢献」のもと、2017年1月にマネージメントとフランチャイズの両施設における現場スタッフのために、参加を必須とする人身売買啓発トレーニングプログラムを開始、2019年1月時点で50万人のホテルスタッフに達した。
全米奴隷・人身取引防止月間の一環として、マリオットは、数多くの従業員が人身取引を理解し、また阻止するために一歩前進したことを報告した。
人身売買啓発トレーニングプログラムを開発し、試験的に実施するために、マリオットはECPAT-USAおよびPolaris(ポラリス)という人身売買撲滅を専門とする2つの非営利団体との共同作業に1年近くを費やした。
また、このトレーニングプログラムを英語から16言語に翻訳のうえ、オンラインまたは講義形式のいずれでも利用できるように開発したことにより、マリオットが展開する世界約130の国と地域からアクセスし、講習を受けることができるようになった。
同じホテルスタッフであっても、フロントスタッフが目にする兆候は、ハウスキーパーやバーテンダーとは異なる可能性があるため、指示も役割によって分類されている。
国際労働機関は、世界中で4000万人以上が現代における奴隷の対象となっていると予測。ユニセフは、世界の人身売買のうち約25%において、子供が巻き込まれていると推定。アメリカで全米人身売買ホットラインを運営しているPolarisは、アメリカ国内で何十万もの性的および強制労働の人身売買犠牲者がいると推定している。
マリオットのトレーニングを通じて、ホテルスタッフは観察し自身が覚えていることをメモに取ることを学び、次に彼らの疑いを上司に報告し、上司は必要であれば法執行機関に連絡することができる。
同トレーニングは、マリオット・インターナショナルの組織全体をはるかに超えた影響を及ぼしており、同トレーニングを研究機関、また、アメリカンホテル&ロッジング協会教育基金(AHLEF)を通じて業界に寄付しており、他の宿泊施設の運営者が購入したトレーニングの収益は、ECPAT-USAとPolarisの支援に寄与される。
マリオット・インターナショナル 社長兼最高経営責任者、アー二・ソレンソン氏は以下のコメントを寄せた。
「人身売買は、世界中の何百万もの人々を陥れる現代における奴隷の恐ろしい形態です。何か気づきがあった際に声を発することを世界中のスタッフに教育し、これを促すことによって、私たちは社会で最も脆弱な人々のために立ち上がるだけでなく、従業員やゲストを守り、世界に貢献するという当社のコアバリューに応えています」
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