近年住みたい街として人気が急上昇し、大幅な利用客増加により、駅への入場すら行列ができるJR武蔵小杉駅。同駅はJR東日本が川崎市と連携してホーム増設などの混雑緩和策を予定している。所在する川崎市中原区のホテル出店状況と合わせてお送りする。
武蔵小杉の大規模再開発
武蔵小杉エリアはもともとは京浜工業地帯の一角として、工場や社宅が多いエリアだった。しかし、バブル崩壊によってNEC、不二サッシや東京機械製作所などの工場が次々に撤退、移転する企業が相次いだ。
そのため、横須賀線を通じて東京の都心部にアクセスしやすい武蔵小杉の駅前に、多くの空白地帯が生じ、これらの場所に高層マンションや商業施設の建設計画が2000年代から相次いで進められた。
下りホームの新設
高層マンションの建設が続く中で、武蔵小杉駅の利用者が激増し、混雑緩和のために川崎市とJR東日本は連携して対策を打ち出しており、本年4月には新南改札への入場専用臨時改札とエスカレーターの設置、南武線下りホームの一部拡幅工事などを実施した。
加えて、さらなる混雑緩和の抜本的改革として以下の下りホームの新設が予定されている。
出典:JR東日本
新規改札口の設置
また、駅構内とその周辺の歩行者の分散化と南武線北側からのアクセスの向上を狙い、新規改札口の設置を予定している。
完成は2023年度を予定しているが、JR東日本では工期短縮のための施工方法検討を含めて早期開始を進めるとしている。
下りホームの新設はJR東日本が負担するが、新規改札口の設置は川崎市が負担をする。
川崎市では、南武線最混雑区間(武蔵中原→武蔵小杉間)の混雑緩和のため市職員の時差勤務の試行によるオフピーク通勤の実験的取組なども実施し混雑緩和対策に注力する。
川崎市中原区ホテル出店状況
メトロエンジンリサーチによると、武蔵小杉駅がある川崎市中原区では宿泊施設が11、部屋数にして943が提供されている。
宿泊施設リストは以下の通り。
出典:メトロエンジンリサーチ
近年では、「スーパーホテルLohas武蔵小杉駅前」が2017年11月に開業したものの、以降の新設ホテルは確認できず、高層マンションの新設ラッシュの一方でホテルの開業は増加していない。
都心への利便性の高さからベットタウンとしての利用が多いが、「グランツリー武蔵小杉」などの商業施設の展開もそれに合わせて進んでおり、混雑が緩和されれば渋谷や横浜へのアクセスも生かして、宿泊地としての魅力も高まりそうだ。
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