鹿児島県指宿市の「指宿コーラルビーチホテル」が名称を変更し、12月1日から営業を再開することが6日分かった。
「指宿コーラルビーチホテル」は指宿市の老舗ホテルで、前身の「御旅館・田原迫」は1917年の創業。前社長の田原迫(たはらさこ)玄容疑者(44)がホテル内の飲食会場で女性客を盗撮した疑いで逮捕されたことなどを受け、9月24日から営業を取りやめていた。
事件を受けて田原迫容疑者が解任された後、会長だった父親の要氏(76)が社長に就任。要氏は朝日新聞の取材に「ホテル業としてあってはならない嫌疑をかけられ、経営を続けることが難しい」と話し、ホテルを譲渡する方針を明らかにしていた。
同族経営から脱却図るべく県内外を問わず譲渡先を探していたが、交渉が難航。引受先が見つからなかったため、田原迫要社長が社長職にとどまり経営を続けることになった。譲渡先は引き続き探す方針。
新しい名称を「ホテル翔月」とし、12月1日から営業を再開。希望した従業員約50人全員の雇用は継続する。田原迫社長は「不祥事で大変なご迷惑をおかけしたことを改めておわびしたい。大きなマイナスからの厳しいスタートだが、従業員一同心を一つにして努力していきたい」と話している。