温泉旅館「びわこ緑水亭」の調理場で働く従業員4人が長年にわたってパワハラを受けたとして、料理長と旅館の運営会社に対し慰謝料など約3000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9日に開かれ、被告側は請求棄却を求めた。
訴状によると、原告は調理場で働く20~40代の男性従業員4人で、それぞれ2002年から16年に入社。
原告4人は男性料理長から包丁の背で切りつけられるなどの暴力に加え、「見た目が汚らしい」「日本語通じないのか」などの暴言を繰り返し受けたと訴えた。また、仕事上でミスをすると「罰金」と称して1回当たり500円を徴収され、多い月で1人1万円余りを支払わされたこともあるという。2002年10月入社の京都市の男性(43)は20年7月までの約18年間で少なくとも約166万円に上ると主張している。
精神的苦痛や金銭の損害を負ったことを理由に原告4人は、男性料理長と、パワハラが起きないように環境整備する義務を怠ったとして旅館の運営会社に対して慰謝料など約3000万円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こしていた。
原告の1人は代理人を通じ「パワハラのない職場で働き続けることができるように提訴した」とコメントしたが、旅館側は請求の棄却求めた。