(出典:エイ・エイ・ピー・シー・ジャパン株式会社)
株式会社ちば南房総とアコーグループが展開する「グランドメルキュール南房総リゾート&スパ」は、ホテルの送迎バスを活用し、市内で生産される農産物を集荷して宿泊者へ料理として提供する取り組みを開始した。
南房総市とグランドメルキュール南房総リゾート&スパは、令和6年4月に包括連携協定を締結し、観光分野における連携体制を強化してきた。今回の取り組みはその協定に基づき、地域資源の有効活用と観光振興の一環として、今年3月より実証実験という形で始まっている。
実証実験の実施にあたっては、市内7つの道の駅を運営する株式会社ちば南房総が中心的な役割を担っている。各道の駅の直売所で販売される農産物を一か所に集め、ホテルが宿泊者の送迎に使用する定期運行バスに積載し、ホテルへ運搬する。事前に道の駅からホテル側へ収穫状況を通知し、ホテルがその情報を基に必要な品目を発注、道の駅が発注に応じて農産物を集荷するという流れで運用されている。
(出典:エイ・エイ・ピー・シー・ジャパン株式会社)
現在は「富楽里とみやま」および「とみうら枇杷倶楽部」の2か所の道の駅が対象となっており、それぞれの直売所で集荷された農産物がホテルへ供給されている。ホテルでは、これらの農産物を使用し、ビュッフェ形式のレストランにて様々な料理を提供している。これまでに「鯵フライバーガー」や「キャベツと鶏肉のサラダ」、「菜の花入りあさり汁」などが提供されており、現在は「ローストベジタブル」や浜焼きコーナーでのシイタケ料理などに活用されている。
この取り組みは、二酸化炭素排出量の削減や食品ロスの抑制、地域農産物の販路拡大を目指しており、持続可能な社会の実現を目標に据えている。運用は週1回の定期便として進められており、今後も運用上の課題を検証しながら本格的な展開に向けた準備が進められていく予定である。
今回の取り組みを実施した南房総市は、房総半島の南端に位置し、温暖な海洋性気候と3方を海に囲まれた地理的特性を備えている。東京から約70分、成田空港から約80分と首都圏からのアクセスにも優れており、観光地としての潜在力が高い。300メートル級の低山が連なる山岳地帯や四季折々の花々など、自然景観にも富んでいる。また、豊かな自然と温暖な気候を活かした農水産業が盛んで、房州びわや乳製品、黒アワビやひじきなど地域特有の食材に恵まれている。
グランドメルキュール南房総リゾート&スパは、南房総国定公園内の大房岬に位置し、豊かな自然に囲まれた開放的な環境での滞在を提供している。首都圏からのアクセスも良好で、地元食材を活かしたレストラン、大浴場、サウナ、キッズパークなど多彩な設備を備えている。同施設が属するグランドメルキュールは、アコーが展開するプレミアムホテルブランドの一つであり、「Proudly Local~その地に、誇りを~」をコンセプトに、地域の文化や伝統を取り入れたホテル体験を提供している。