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【2025年04月最新】都市機能と自然資源が融合する新拠点:神奈川県の新規開業施設

投稿日 : 2025.04.23

神奈川県

新規開業施設

新規ホテル情報

神奈川県の新規開業施設の分布

メトロエンジンリサーチによると、神奈川県の中でも特に新規開業施設が集中しているのが「横浜市・箱根町」である。本記事では、これら2つのエリアに着目し、それぞれの地域特性や立地条件がどのようにホテル開業に影響を与えているのかを考察していく。

出典:メトロエンジンリサーチ

横浜市

横浜市は、みなとみらい地区や関内・馬車道周辺など、再開発が進むエリアを中心に新規開業が目立っている。中でも「みなとみらい線」沿線は、アクセス利便性と観光資源の両面を兼ね備えており、訪日外国人観光客や国内のビジネス需要の双方をターゲットとしたホテルが増加傾向にある。また、横浜市全体を俯瞰すると、観光エリアと交通ハブが重なる桜木町駅周辺や、国際的な展示施設が集まるパシフィコ横浜付近にホテルが集中している点が特徴となっている。

出典:メトロエンジンリサーチ

箱根町

箱根町では、強羅・小涌谷・芦之湯エリアを中心に新規宿泊施設が開業しており、地域特性として“温泉資源を活用した高付加価値型の宿泊施設”が多数を占めている。特に近年は、自然環境と調和したラグジュアリーリゾートや、アートとの融合を図るブティックホテルの進出も見られる。観光地としてのブランド力に加え、小田原・新宿方面からのアクセスの良さも、箱根の宿泊需要を下支えしており、地図上でも箱根登山鉄道沿線や観光名所付近に施設が集積している様子が推察できる。

出典:メトロエンジンリサーチ

神奈川県の新規開業施設がもたらす「観光都市の再編成」

横浜市と箱根町では、観光資源や都市機能を再構築するかたちで、新たな宿泊施設の開発が活発化している。これらの施設は、単なる滞在場所を超えて、地域の魅力を再定義し、観光都市としての構造そのものを塗り替えつつある。ビジネス、観光、ウェルネスなど、多様化するニーズに対応した宿泊スタイルが広がりを見せており、今後の観光戦略においても重要な位置を占めると考えられる。

横浜市:国際都市の顔として進化する「都市型ラグジュアリーと多様な滞在ニーズ」

横浜市では、みなとみらい・関内エリアを中心に、ラグジュアリーからライフスタイル型まで多様な新規ホテルが登場している。パシフィコ横浜などの国際会議施設を核としたビジネス需要に加え、観光・レジャー・ショッピングを目的とした短期・中期滞在者のニーズにも対応。また、観光拠点としての地位を保ちつつ、最新の都市機能を取り込んだ新規施設が次々と誕生しており、“国際都市ヨコハマ”としての魅力強化に寄与している。

施設名 部屋数(推定) 竣工
開業予定日

(仮称) 横浜フォーシーズンズ・ホテル&リゾーツ

338 室 2026年3月

OMO7横浜 by 星野リゾート

280 室 2026年春

コンラッド横浜

272 室 2027年

(仮称) みなとみらい21中央地区60・61街区開発事業
(Linkage Terrace)

430 室 2029年2月28日

出典:メトロエンジンリサーチ

横浜市の新規開業施設の紹介

コンラッド横浜

横浜のウォーターフロント再開発の象徴ともいえる北仲通エリアに誕生する「コンラッド横浜」は、ヒルトングループによるラグジュアリーブランドとして、国内外の富裕層やビジネスエリートの受け皿となる存在だ。国際会議場や高級商業施設が集積するみなとみらいエリアに隣接しながらも、歴史的建造物や文化施設が並ぶ落ち着いた立地は、洗練された滞在ニーズに応える都市型ホテルとしてのポテンシャルを備えている。今後の横浜における“上質な滞在体験”の象徴となる施設といえるだろう。

OMO7横浜 by 星野リゾート

横浜の下町文化と都市観光を融合させる形で開業予定の「OMO7横浜」は、星野リゾートが展開する都市観光ホテルブランドの中でも“ディープローカル”をコンセプトに据えた注目施設だ。関内エリアの歴史や食文化、ローカルな人の流れを宿泊体験に取り込み、従来のホテルでは得られなかった“街に住むような滞在”を実現。国内外からの観光客に対して、横浜という都市の新しい側面を提案する役割を果たし、地域との共生を図りながら、多様な滞在スタイルを提案する都市観光の新モデルとなるだろう。

箱根町:自然と文化を融合した「高付加価値型滞在体験」の創出

箱根町では、強羅・小涌谷・芦之湯といった温泉地を中心に、新たなコンセプトを持つ宿泊施設が続々と登場している。既存の観光資源を活かしながらも、自然環境との共生、ウェルビーイング、アートとの融合などをテーマに据えた「高付加価値型滞在体験」の提供が進んでいる。国内外の富裕層や長期滞在志向の旅行者を惹きつけるこれらの施設は、箱根のブランド価値をさらに押し上げ、次世代型リゾートの先駆けとなることが期待されている。

施設名 部屋数(推定) 竣工
開業予定日

HOTEL THE MITSUI HAKONE

126 室 2026年

(仮称) 吾汝(ATONA)箱根

30 ~ 50 室 2026年以降

バンヤンツリー・芦ノ湖 箱根

– 室 2028年

箱根強羅 SIX SENSES

– 室 2029年

(仮称) 足柄下郡箱根町強羅ホテル新築工事

– 室 未定

(仮称) 箱根町強羅ホテルプロジェクト

– 室 未定

出典:メトロエンジンリサーチ

箱根町の新規開業施設の紹介

箱根強羅 SIX SENSES

世界的に知られるウェルネスリゾートブランド「SIX SENSES」が日本で初めて展開する「箱根強羅 SIX SENSES」は、強羅の自然と調和するラグジュアリーリゾートとして注目を集めている。温泉、森林浴、食、アートなどを通じて“心身の再生”をテーマにした滞在体験を提供し、従来の温泉旅館とは一線を画す高付加価値型の施設だ。国内外の富裕層をターゲットに、箱根のもつポテンシャルを国際的なウェルネス拠点として再定義する存在となるだろう。

バンヤンツリー・芦ノ湖 箱根

「バンヤンツリー・芦ノ湖 箱根」は、アジアを中心にラグジュアリーリゾートを展開するバンヤンツリー・グループの日本初進出となる旗艦施設である。芦ノ湖の湖畔という稀有な立地を活かし、自然景観と融合したプライベート性の高い滞在環境を実現。世界水準のスパやホスピタリティを備えたこの施設は、箱根の国際観光地としての地位をさらに高め、“観光地での静養”という新たな旅の在り方を提案する。

横浜・箱根が象徴する「観光都市の再編成と新たな滞在価値の創出」

ここまで紹介してきた横浜市と箱根町の新規開業施設は、それぞれの地域特性を活かしながら、神奈川県全体の観光都市としての在り方を再編成している。都市型ラグジュアリーと地域密着型体験という対照的なアプローチにより、多様なターゲット層に向けた滞在価値の提案が進んでいる点が注目される点だ。

観光都市機能の再編成

「観光都市機能の再編成」という観点では、横浜市と箱根町が持つそれぞれの強みをさらに磨き、次世代型の観光拠点へと変貌している点が挙げられる。

横浜市では、コンラッド横浜やみなとみらい21中央地区の大型再開発プロジェクトに象徴されるように、都市機能と国際性を兼ね備えた新たな宿泊拠点が形成されつつあり、国際会議やビジネスイベントへの対応力も強化されることで、横浜が持つ“国際都市”としての立場をさらに確固たるものにしている。

一方の箱根町では、SIX SENSESやバンヤンツリーといった世界的ブランドが進出し、温泉地としての既存の魅力に加えて、ウェルビーイングや自然との調和といった新たな価値軸を宿泊体験に取り込んでいる。これにより、箱根は「癒し」と「再生」をテーマとした高付加価値リゾート地としての存在感を増している。

多様な滞在価値の創出

「多様な滞在価値の創出」という視点でも、両エリアの新規開業施設は注目に値する。横浜では、都市観光とローカル文化体験を融合させたOMO7横浜などが登場し、従来のビジネス・観光型ホテルとは異なるライフスタイル志向の滞在が可能になっている。

箱根では、個々のホテルが自然環境や地域文化との一体感を追求することで、訪れる人々に“非日常”だけでなく、“個別性の高い体験”を提供。国内外の多様な旅行者に対し、宿泊そのものが旅の目的となるような価値変容が起こっている。

今後の展望

今後、横浜市と箱根町におけるこれらの施設群が、神奈川県全体の観光戦略に与える影響は非常に大きい。都市と自然、グローバルとローカル、多様な価値が交差するこのエリアは、体験重視の新しい旅行スタイルにとって象徴的な地域へと進化していくだろう。神奈川県の現在進行形の「観光都市の再編成」の今後に、引き続き注目していきたい。

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