伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社は、三重県内の4つの施設で開催された「SDGsアイデアコンテスト」で提案されたメニューを提供することを発表した。同社は2019年から本格的にSDGsに取り組んでおり、2020年からは「SDGsアイデアコンテスト」を毎年開催している。2024年度の第5回目となるコンテストでは、調理部門とそれ以外の部門に分かれて審査が行われ、調理部門では4チームが表彰された。
(出典:伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社)
1位には鳥羽国際ホテルの洋食調理セクションが選ばれ、「サスティナブル(地産地消)コース」を提供する。このコースでは、浜島産のカツオ、伊勢湾産のサザエ、伊勢志摩・鳥羽湾産のアイゴなど地元の食材をふんだんに使用している。特に、規格外で市場に出回らない未利用魚を活用することで、地域のSDGs活動にも貢献している。この新メニューは2025年3月31日まで提供され、価格は6,600円である。
(出典:伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社)
2位には潮路亭の和食調理セクションによる「和香ぷりん・和道くらふてぃ」がランクインした。このメニューは、白ご飯のロスに着目し、朝食で残った白ご飯を活用して三重県産大内山牛乳で炊き上げた乳酪粥を作り、お菓子に仕上げたものである。これらは2種の異なる風味が楽しめる一品であり、こちらも2025年3月31日まで滞在者の2泊目用に、夕食時のデザートとして提供される。
(出典:伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社)
3位には、NEMU RESORTの和食調理セクションによる「胡麻ごはん団子 鼈甲餡」と、ペストリー・ベーカリーセクションによる「ダブルチーズケーキ」が選ばれた。いずれも食材のロスを減らし、持続可能な取り組みの一環として工夫されている。特に「ダブルチーズケーキ」は、形が崩れて提供できないチーズケーキを再利用して作られた新たなデザートである。
これらのメニューは、審査員のコメントをもとにアレンジされ、新たな魅力を加えた形で各施設にて提供される。伊勢志摩リゾートマネジメント株式会社の惣明福徳総支配人は、コンテストを通じて社内のSDGsに対する理解と関心が高まっていることを喜び、今後もゲストの声を敏感に受け止めながら、地域貢献に努めていくことの重要性を強調している。
同社は、2019年より環境保護やフードロス削減に注力しており、型崩れしたチーズケーキをパンに活用する取り組みや、伊勢海老の殻をコンポスト化してワイナリーで再利用するなど、地域に根ざしたサステナブル経営を行っている。その結果、三重県の「サステナブル経営アワード」にも認定され、他企業のモデルとなる持続可能な企業として高く評価されている。