飛騨高山の宿が、地元のぬくもりを灯りで伝える。ポラリス・ホールディングス株式会社傘下の株式会社ミナシアが運営する「KOKO HOTEL 飛騨高山」が、2025年9月19日に「ホテルウィングインターナショナル飛騨高山」からリブランドオープンした。
館内の全客室には、地元のバンブーランプアーティスト・OITA氏が手がけた竹のランプを設置。支配人が作品に魅了されたことをきっかけに実現した取り組みで、飛騨の自然素材と手仕事の美しさを感じられる空間が広がる。柔らかな竹灯りが、旅人を静かに迎える。
本記事では、リブランドの狙いやOITA氏とのコラボレーションの経緯などを、ポラリス・ホールディングス株式会社に取材した。
▷公式サイト :https://koko-hotels.com/hidatakayama/
―――リブランドの背景と、新ブランド「KOKO HOTELS」としてお客様や事業者に提供したい新しい価値は何でしょうか。

リブランドの背景には、まずブランド統合を通じて認知度を高めたいという狙いがあります。
ポラリス・ホールディングスでは、2024年12月に株式会社ミナシアと経営統合を行い、両社が運営するホテルを順次「KOKO HOTELS」ブランドへ統合していく方針を掲げました。統合前の認知度調査では、KOKO HOTELS やホテルウィングといったブランドはいずれも20%台にとどまっており、より印象に残るブランド名を軸に成長を目指す必要がありました。
その過程で “KOKO” という言葉は、短くて覚えやすく、外国人にも発音しやすく、検索にも強いという理由から採用されました。
また、全国に点在するホテルそれぞれが異なる個性を持っていることから、その「個々(KOKO)」の違いこそがブランドの魅力であると考えています。私たちは、そんな多様性こそが旅の魅力であり、地域の誇りであると考えています。
新しいブランドコンセプト「Here Discovery Begins ― ここから見つける旅を」には、訪れるたびにその土地の新しい魅力を発見していただきたいという想いを込めました。
このリブランドは、単なる名称変更ではなく、「ブランド認知の向上」「地域文化との共創」「お客様に新たな発見を届ける体験価値」の3軸を据えた戦略的な取り組みです。
―――バンブーランプアーティスト・OITA氏とのコラボレーションは、どのような経緯で実現したのでしょうか。

この取り組みは、当社が掲げる地域連携強化の一環として生まれました。ホテルスタッフがOITA氏の指導のもとでバンブーランプ作りを体験した際、ホテルエントランスに飾られた作品を「KOKO HOTEL 飛騨高山」支配人の奥田晋一が見て感銘を受けたことがきっかけです。
自然素材の竹と光が織りなす温かさに強く共感し、「伝統を現代の感性で表現する」というOITA氏の活動理念が、「地域の文化を現代的に伝えたい」という当社の想いと重なり、今回のコラボレーションが実現しました。
―――今回の取り組みを通じて、地域の文化やアートをホテルに取り入れることの意義をどのように感じていますか。

地域の文化やアートは、その土地の人々の暮らしや価値観の表れです。ホテルがそれらを体験できる場になることで、訪れる方にとっても、地域にとっても、豊かな交流が生まれると考えています。
文化やアートのみならず食を通じて土地の魅力を再発見し、旅の余韻として心に残る体験を提供することが、私たちの目指すホテルのあり方です。
―――バンブーランプの光による宿泊体験の変化について、どのような効果やお客様の反応を期待されていますか。

竹灯りのやわらかな光が、客室全体を包み込むことで、まるで時間がゆっくりと流れるような感覚を味わっていただけます。
多くのお客様が「癒される」「落ち着く」と感じてくださることを期待しています。夜の静けさとともに、光が描く陰影が心を整える——そんな“記憶に残るひととき”をお届けしたいと考えています。
―――今後、リブランドを契機にどのようなホテル像や地域連携の展望を描いていますか。

今回のリブランドをきっかけに、地域の職人やアーティスト、食文化などと積極的に連携し、その土地ならではの魅力を発信するホテルづくりを進めていきたいと考えています。
「KOKO HOTEL 飛騨高山」をはじめ、全国各地で地域と共に育つホテルを展開し、日本の多様な文化や美意識を国内外へ発信していきます。
■ホテル概要
名称 :KOKO HOTEL 飛騨高山
住所 :〒506-0008 岐阜県高山市初田町2丁目51番地
交通 :JR高山本線「高山駅」東口より徒歩5分
客室数 :全139室
電話番号 :0577-35-1300
公式サイト :https://koko-hotels.com/hidatakayama/