(出典:株式会社宿研)
宿泊施設専門のWeb集客コンサルティングを手がける株式会社宿研は、デジタル時代における宿泊施設選びの意思決定プロセスを明らかにすべく、全国の旅行好き1,000人を対象とした消費者調査を実施し、2025年5月に結果を公表した。
本調査は、旅行者の情報収集から予約決定までの行動実態を可視化し、特に公式ホームページの影響力に焦点を当てている。予約サイトやSNSといった情報チャネルが多様化する中で、宿泊施設がどの接点で選ばれているのかを捉え、業界全体にとって集客戦略を考える上での一助となる内容である。
(出典:株式会社宿研)
調査によれば、宿泊先を探す情報源として最も多く利用されていたのは「予約サイト」で、利用率は75%に達した。また、SNSは20代・30代を中心に「宿との出会いの場」として機能しているが、実際の比較検討には予約サイトを使用する傾向が強いという。つまり、視覚的に惹かれた後、価格や条件を他と比較して選定するという二段階の行動フローが定着している。
(出典:株式会社宿研)
また、公式HPの役割についても重要な知見が得られている。調査では、旅行者の86%が宿泊施設を予約する前に公式HPを確認しており、その印象が最終的な予約決定に影響すると答えた者は75%にのぼった。特に「写真のクオリティ」「アクセス情報の分かりやすさ」「施設の魅力を伝えるコンテンツ」などが重視されており、公式HPは予約行動の“決断の場”として機能していることが裏付けられた。
これらの結果から、宿泊施設にとっては予約サイトやSNSの鮮度管理と同時に、公式HPのブラッシュアップも極めて重要であるといえる。調査結果は一般にも公開されており、競争が激化する宿泊業界において、現場での改善に役立つ知見として参考になるだろう。