新型コロナウイルスの感染拡大により、インバウンド・国内客ともに急減、ホテル業界に厳しい試練が訪れた。公的機関および民間企業によるすぐに活用できる支援・対策をまとめた。(3月16日更新記事)
中央省庁による支援対策
厚労省は雇用調整助成金特例措置に関して、新型コロナウイルス感染症への対応として、雇用調整助成金について特例措置を講じているところ、2月28日より特例措置の対象となる事業主の範囲を拡大した。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食店営業、喫茶店営業及び旅館業の営業において資金繰りが懸念されることに鑑み、株式会社日本政策金融公庫におけるセーフティネット貸付に加え、2020年2月21日より「衛生環境激変対策特別貸付制度」を実施。
経済産業省中小企業庁は、セーフティネット保証5号の対象業種に「旅館、ホテル」等40種の追加指定を3月3日決定した。
自治体による支援対策
東京都は3月6日より、新型コロナウイルス感染症に対応した中小企業支援「新型コロナウイルス感染症対応緊急融資」を実施、金融・経営面からの支援を行う。
また、同日テレワーク環境整備を支援する助成金の募集を開始している。
札幌市では、新型コロナウイルス関連肺炎の流行による影響を受け、厳しい経営環境に置かれている市内の中小企業者等に対し、資金調達の円滑化と返済財源の負担軽減を図るため、「新型コロナウイルス対応支援資金」を創設。そのほか北海道や函館市など道内自治体による支援が広がっている。
沖縄県では、新型コロナウイルス感染症を中小企業セーフティネット資金の融資対象の災害として認定し、新型コロナウイルスで影響を受けた事業者に対する金融支援を実施するなどの対応を行なっている。
京都府・京都市においては、2月6日より新型コロナウイルス対応緊急資金の融資制度が制定された。
その他自治体において各種支援が行われている。
民間企業による支援対策
ビースポークは、1日約4万人の訪日外国人が使うAIチャットボット「Bebot」において、新型コロナウイルス感染症に関する情報の無償提供を実施している。
イー・ビジネスは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ホテル接客サービス「QRHOTEL」を通じた情報提供を開始した。
スペクティは、AI(人工知能)を活用し、SNSに投稿された情報をもとに新型コロナウイルスによる肺炎の広がりを解析するシステムを開発し関係機関に納入した。
また、メトロエンジンは小規模宿泊施設向け新型コロナウィルス対策応援キャンペーンとして、30室以下の施設を対象に競合調査ツール「ベーシックプラン」、グーグルホテル広告掲載の初期費用の無償提供を開始した。
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