『お寺ステイ』を運営するシェアウィングと日蓮宗 松流山 正傳寺は、本日2019年7月25日(木)、24時間完全無人の宿坊(宿泊施設)「Temple Hotel正伝寺(テンプルホテル正伝寺)」を開業。檀家が減少している都心部の寺に、宿坊「Temple Hotel正伝寺」が新しい柱の一つとなることを目指す。
日本初、24時間完全無人の寺×IT”テラテク”宿坊
出典:シェアウィング
日本に77,000以上存在する寺。その内の30%以上が檀家減少を主な理由とした後継者不足に直面しており、今後消滅していくことが予測されている。現在、社寺の持つ観光資源・空間資源・地域の資源を最大限に活用し、檀家に代わる新たなファンやコミュニティを形成することが全国の寺院に求められていると同社は考えているという。
また、寺の存続危機は地方の話だけには留まらず、都心部にも及んでいる。正傳寺は、東京都港区芝に所在しており、戦後日本の発展とともに寺の周りも様変わり。
特にバブル景気を境に、昔からその土地に住んでいた檀家が、よその土地に引っ越してしまい、寺の運営がより難しくなっているケースがある。今の時代に合わせた寺のあり方が問われているのだ。
寺×IT “テラテク”宿坊 「Temple Hotel正伝寺」(東京都港区芝1丁目12-12)は、日本初の24時間完全無人化を実現した宿坊。宿泊者は、テレビ電話を通して好きな時間にチェックイン・チェックアウトを完了できる。また、敷地内の本堂や寺内の会議室も予約が可能。
さらに「Temple Hotel正伝寺」の宿泊者へは、「お守りづくり」「数珠づくり」「写経」の体験も提供を予定しており、特にインバウンド観光客からの高い需要を見込んでいる。
産学”寺”連携のインバウンド観光客誘致プロジェクトも始動
また、東洋学園大学と共同し、インバウンド観光客の誘致プロジェクトも開始。学生のプレゼン発表のうち優秀なものを元に、インバウンド観光客へ向けた体験提供を予定しているという。
マーケティングが専門で、現在東洋学園大学で教鞭をとる本庄加代子准教授は以下のコメントを述べた。
「お寺という、文化的・社会的付加価値の高い資産を、従来お寺産業にはなかったマーケティング視点から輝かせるための施策を、先入観のない大学生が発想していくことそのものに、社会的意義を感じた。
学生はそれまで無関心であったお寺を身近に感じるきっかけとなり、大学での学びを深めることができた。実施するにあたり、連携先の正伝寺様もシェアウィング様もビジネスではなく、教育的見地からの理解も深く、実施環境が整っていることもありがたいと感じている。この点は今後大学が社会から強く求められているPBL(プロジェクト型の教育)を展開する上で、非常に重要な点であると考えている。」
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