(出典:NPO法人AlonAlon)
障がい者の就労支援を行うNPO法人AlonAlonは、貸し別荘「スミスのいえ」を展開する株式会社ヴァンガードスミスの不動産事業部と契約を締結し、貸し別荘の清掃業務を受託することとなった。これにより、障がい者の職域を観光業へと拡大する取り組みが始動する。
AlonAlonは、農業人口減少に対応した「農福連携」を通じて、障がい者の就労と自立を支援してきた。今回の提携により、観光と福祉を融合させる「観福連携」へ領域を広げることになる。
この背景には、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和された後に顕在化した観光業の深刻な人手不足がある。給与格差や長時間労働、休暇取得の困難さといった課題に加え、インバウンド需要の回復に伴って宿泊施設の新規開業が続いており、人材確保が喫緊の課題となっている。
(出典:NPO法人AlonAlon)
AlonAlonはこうした状況を、障がい者の就労機会を拡充する大きなチャンスと捉え、観光業界の人手不足に貢献することを決めた。実際、AlonAlonは千葉県木更津市のホテル「鳥居崎倶楽部」において、過去3年間にわたりハウスキーピング業務を担当しており、その経験が今回の業務受託につながっている。
今回の取り組みにより、ヴァンガードスミスにとっては、貸し別荘「スミスのいえ」における清掃体制の安定化とサービス品質の向上が期待される。一方、AlonAlonにとっては、就労継続支援B型事業所の利用者に対する工賃向上の機会となる。
観福連携は障がい者の働く場を広げる新たなモデルであり、AlonAlonは今後、観光分野においても多様な企業との連携を進めることで、障がい者が社会の中で活躍できる場をさらに広げていく考えである。
なお、株式会社ヴァンガードスミスは、2015年に「困っている人を助ける」という理念のもとに設立された企業である。元警察官の専門相談員によるサブスクリプション型のトラブル予防サービスをはじめ、貸し別荘事業やリノベーション事業にも取り組んでいる。同社が展開する一棟貸しスタイルの貸し別荘ブランド「スミスのいえ」は、千葉県や神奈川県など都市圏からアクセスしやすい立地に展開されており、各地域の観光拠点としての役割も果たしている。