1924年に開業したマンハッタンの老舗ホテル「ルーズベルト・ホテル」(The Roosevelt Hotel)が10月31日に閉館することが分かった。新型コロナウイルスの流行で業績悪化が続いていることが理由。
「ルーズベルト・ホテル」はマジソン街45丁目にあるミッドタウンの老舗ホテルで、パキスタン国際航空が所有。ホテルの名前は第26代セオドア・ルーズベルト大統領にちなんだもの。96年もの長い歴史のあるホテルで、映画「ウォールストリート」や「マルコムX」など多くの映画やドラマの舞台にもなってきた。
当ホテルの外観はシンメトリーとバランスを重視したルネッサンス様式で、客室はシックで落ち着ける造りになっている。2015年に大規模な改装が行なわれたがロビーやバーは開業当時のままの姿で残され、古き良き時代のホテルとして世界中の観光客から愛されてきた。
観光地だけでなくオフィス街へも利便性が良いことから米ニューヨークのランドマーク的存在であったが、所有主のパキスタン国際航空が新型コロナウイルス感染症の影響で経営難に陥り、感染収束の先行きが見えないことから閉鎖することを決めた。約500人の従業員は9日、閉館の通知を受け取ったという。閉館後の計画は現時点では不明。
これまでにも近郊の「タイムズスクエアヒルトン」や「Wホテル」など大手ホテルが閉館を発表しており、観光客の減少による廃業が相次いでいる。