「Go To トラベル」キャンペーンに登録している宿泊施設で、17日時点までに新型コロナウイルス陽性者の利用が6件あったことが観光庁の発表で分かった。
GoToに登録した宿で感染者の利用が発覚した。
18日に開かれた野党合同ヒアリング。観光庁はキャンペーンが開始した22日以降の宿泊者・従業者の感染状況を、事業者の報告を基に集計した。報告によると、事業に登録している宿泊施設を利用した人の内、新型コロナウイルスの陽性と診断された客は6名だった。一方で、6名の中でキャンペーンの割引を利用して宿泊したのは1名のみだという。また、宿泊施設を起因とするクラスターや感染者は発生していないとのこと。事務局は調査の結果、該当施設において感染防止策はとられていたと説明した。
なお、利用者の感染発覚の具体的な日付については伏せられたままであった。観光庁の「宿泊施設を起因とした感染は発生していない」という発表を素直に解釈すると、利用客の感染は施設とは関係ない場所で起こったが、陽性を確認する前に感染者が宿泊していた可能性はあるということだ。
質疑応答の中で野党議員は「地方の医療現場が疲弊している中、GoTo事業で観光客を呼び込むことは、感染拡大をより深刻化させるのでは」と懸念を表した。また特に沖縄県で感染が広がっている点を挙げ、「沖縄も東京都と同じくキャンペーンの対象から除外すべきではないか」という提言もあった。沖縄では感染拡大により病床が不足しているが、ホテルの部屋は旅行者で埋まっており借り上げもできない状況だという。
旅行者の感染の有無を現場で証明できない以上、三密回避を徹底することが宿泊施設がとれる最優先の感染対策だ。
現場の感染対策をチェックするため、観光庁は19日と20日に2度目の訪問調査を実施する。1度目の訪問調査の際は52施設が対象となり、チェックイン時の検温、旅行者の身元確認、入浴時や飲食時の三密回避などの実施状況が調査された。
今度の訪問調査では中小規模の宿泊施設が対象になるという。調査の結果は実施した地方運輸局より報告され、指導・改善した内容は広報機関にて周知していくとのこと。