エアアジア・ジャパン(株)(TDB企業コード:188011998、資本金83億6542万2940円、愛知県常滑市セントレア1-1、代表会田純氏)は、2月24日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けたことがわかった。
負債額は約217億円
帝国データバンクによると、同社は2014年3月にマレーシアに本社を置く大手格安航空会社(以下LCC)のエアアジア・インベスト・リミテッドの子会社として、日本でのLCC事業を目的として設立。中部国際空港を拠点に、中部国際空港~新千歳空港を就航。その後も中部国際空港~台湾桃園国際空港、中部国際空港~仙台国際空港を就航させるなど、路線拡大と既存路線の増便などを行うことで収入の拡大を図ってきた。
しかし2019年12月期は年売上高約40億円を計上していたものの、外注費などの経費負担が重く、約47億円の最終赤字となるなど厳しい運営を強いられていた。
こうしたなか、2020年に入り新型コロナウイルス感染拡大の影響により、4月以降全便を運休。8月1日には就航が延期されていた中部国際空港~福岡空港の運行が開始され、他路線の運行も再開したものの利用客が少ない状況が続いていた。
希望退職者の募集など経営改善に努めてきたものの、搭乗率の低下に歯止めがかからず、10月1日から同月24日までの全路線全便の運休を決定。その後、事業継続は困難と判断したことから、10月5日に国土交通省に対して12月5日をもって全路線を廃止する旨の届け出を行っていたとのこと。申請時の負債は約217億円だった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、旅行業界は深刻な影響を受けている。観光需要喚起事業「GoToトラベル」も現在全国で一時停止されており、再開の目処はたっていない。旅行業界にとっては今度も厳しい状況が続くと見られている。