コロナによりホテルでの食事提供はどう変わったのか。旅行者の需要と現場の取り組みをまとめた。
2019年末より猛威を振るいはじめた新型コロナウイルス。遠方の地域から人間が集まるホテル業界の現場では、感染症リスクに対しさまざまな策を講じてきた。
従業員のマスク着用。消毒の徹底。宿泊者の身元確認。感染発生時の対応マニュアルの整備。フロントサービスの自動化など。
特にビュッフェ形式のレストランは不特定多数の人間が密に接するため、対応が必須である。
感染が本格化した今年の春先から、多くのホテルがモーニングのビュッフェを中止した。緊急事態宣言が解除されて提供を再開したところもあるが、利用者にはマスクと手袋の着用を義務付けるなど、気軽に利用できるとはいいがたい状況だ。
旅先での食事は旅行の最大の楽しみの一つであると同時に、宿泊業者にとって大きな収入源でもある。ホテルと提携するレストランでは、感染対策を徹底するとともに、なんとかキャンセルの痛手を取り戻そうと、「テイクアウトメニュー」の充実をはかっている。
J.D.パワーが行った調査によると、7割の回答者がビュッフェを利用したいと答えており、ビュッフェ形式以外のレストランを望む声は9割に及んでいる。本格的な食事を楽しみたいが接触は避けたいということのようだ。さらに客室や自宅で摂れるテイクアウトメニューのニーズが高まっていることもわかった。
パレスホテル東京では、家庭でもホテルの料理が楽しめるよう、期間限定で予約制でのテイクアウトサービスを始めた。
メニューを見ると、「鉄板焼き濠」の松坂牛ステーキ重、「グランドキッチン」からは三元豚ロース肉のスパイシーグリルと、一流の料理人が手がける本格的な品がそろっている。
軽いメニューを試したいなら、バーガーショップ「ライトディッシュ&フェイヴァリット」のクラブハウスサンドウィッチがおすすめだ。デザートはマロンシャンティイやショートケーキなど、本格スイーツが600円で楽しめる。
受け取り方法は店頭のほか、ドライブスルーやタクシーデリバリーなどから選択できる。予約は公式サイトの注文ページから簡単に可能だ。
受け取り時間はAM11:30~PM7:00 まで。
今回のテイクアウトメニューは期間限定とのこと。興味がある方はお早めに。
コロナ禍により、近場で休暇を楽しむ「ステイケーション」が推奨される昨今。旅行をキャンセルし浮いた資金で、夕食にホテルのメニューとしゃれこむのはいかがだろうか。