11月30日、自民党の下村政調会長は菅総理に対し、政府主導の観光需要喚起策「Go To トラベル」事業の実施を来年の大型連休直後まで延長することなどを求める提言書を手渡した。
提言書は2020年度の第3次補正予算案に関するもので、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための追加経済対策の内容が盛り込まれている。
具体的には、現在来年1月末までの実施を予定している「GoToトラベル」事業のGW時期までの延長、医療機関への交付金の増額、希望者に対しワクチンを摂取させる体制の整備、イベント運営に関わる感染防止策の支援、などだ。また、飲食業界への支援事業「Go To EAT」の延長についても触れられている。
これらを実現するため、下村政調会長は34兆円規模の予算を求めた。これに対し菅総理は、「国民に安心してもらう補正を組む必要がある」と答え、予算規模については言及しなかった。
経済対策の中身に関しては、菅総理は党内で「来週早々にも決定したい」と発言しており、12月上旬にも対策を取りまとめて予算案を閣議決定する見通しだ。
現在、感染拡大が全国で深刻化しており、「GoTo」事業も札幌・大阪市など一部地域で停止中である。事業の延長は感染拡大を助長するのでは、と指摘する声もあり、国民の理解を得つつ、経済対策と感染阻止の舵をとる手腕が政府に求められている。