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新型コロナ死者30万人突破、過去のパンデミックの歴史と比較

投稿日 : 2020.05.19

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新型コロナウイルス関連

新型コロナ死者数が30万人を突破。過去の歴史では、数十年に一度大規模なパンデミックは起きている。直近100年でも、1918年「スペイン風邪」、1957年「アジアインフルエンザ」、1968年「香港インフルエンザ」。また、毎年の季節性インフルエンザの流行。これらでどれほどの死者が出たのか。

グローバリゼーションの進んだ21世紀、世界中にウイルスの拡散するスピードは過去のパンデミックよりもはるかに速くなっており、今回の新型コロナウイルスはわずか数週間で世界中にウイルスが拡散しており、これは歴史上初めての出来事だろう。

他方で、過去の歴史をみると、数十年に一度このようなパンデミックは起きており、人類にとって感染症との戦いは古くて新しい課題であり、天然痘、ペスト、結核、マラリアなど感染症の歴史は移民と人類の歴史そのものとなっている。

直近の100年に限っても、3回の大規模なパンデミックが発生。1918年の「スペイン風邪」、1957年の「アジアインフルエンザ」、1968年の「香港インフルエンザ」である。

スペイン風邪(1918-1919)、最大で1億人死亡

国立感染症研究所によると、第一次世界大戦中の1918年に始まったスペイン風邪(インフルエンザ)のパンデミックは、被害の大きさで際立っており、世界的な患者数、死亡者数についての推定は、患者数は世界人口の25-30%(WHO)、あるいは、世界人口の3分の1(Frost WH,1920)、約5億人(Clark E.1942.)で、致死率は2.5%以上(Marks G, Beatty WK, 1976; Rosenau MJ, Last JM, 1980.)、死亡者数は全世界で4,000万人(WHO)、5,000万人(Crosby A, 1989; Patterson KD, Pyle GF, 1991; Johnson NPAS, Mueller J, 2002.)、一説には1億人(Johnson NPAS, Mueller J, 2002.)とも言われているという。

日本の内務省統計では日本で約2300万人の患者と約38万人の死亡者が出たと報告されているが、歴史人口学的手法を用いた死亡45万人(速水、2006.)という推計もあるという。

アジアインフルエンザ(1957-58)、200万人死亡

アジアインフルエンザは1957年2月下旬に中国の一つの地域で流行が始まり、3月には国中に広がり、4月中旬には香港に達し、そして5月の中旬までには、シンガポールと日本でウイルスが分離された。1週間以内にWHOネットワークは解析を終了して新しい亜型であることを確認後、世界にパンデミックの発生を宣言した。

ウイルスサンプルは即座に世界中のワクチン製造者に配布され、ワクチンは米国では8月に、英国では10月に、そして日本では11月に使用可能になったが、広く使用するのは少なすぎる量。

多数の人が集まるような、会議やお祭りなどの場で感染が広がったという事実から、非医学的な対策としては、集会の禁止と学校閉鎖がパンデミックインフルエンザの伝播を防止できる唯一の手段だったとされているという。

このパンデミックにより世界での直接的及び間接的に生じた死亡を推計する超過死亡推計による死者数は200万人以上と推定されている。

香港インフルエンザ(1968-1969)、100万人死亡

1968年に始まった香港インフルエンザは、初期の国際的な伝播はアジアインフルエンザに類似していたが、臨床症状は軽く、低い致死率でほとんどの国では、その前のパンデミックにみられたような爆発的なアウトブレイクはなく、流行の伝播は緩やかで、学校での欠席や死亡率に対する影響は非常に少なかった。それでも世界での超過死亡は約100万人となった。

季節性インフルエンザ、毎年25−50万人死亡

厚生労働省によれば、例年の季節性インフルエンザの感染者数は、国内で推定約1000万人と言われている。

また、季節性インフルエンザによる超過死亡概念による年間死亡者数は、世界で約25~50万人、日本で約1万人と推計されている。

コロナ不況は更なる犠牲者を生む恐れ

新型コロナの死者数は30万人を突破、その数はさらに増加する見込みだ。他方で、再拡大のリスクは残るものの、日本や韓国、中国などの東アジアや欧米主要国での感染は既にピークをすぎて、各国は出口戦略を探り始めている。

しかし、世界経済への打撃は「戦後最悪」と言われており、1929年の世界恐慌以来の空前の不況が発生している。21世紀のグローバリゼーションの世界的なヒト・モノ・カネの大規模かつ瞬時の移動に依存する経済構造とこれを遮断する大規模な都市閉鎖により、過去の事例よりもパンデミックのもたらす経済に与える打撃はより深刻なものとなっている。

新型コロナ感染対策として行われた経済の停止に伴う巨大不況による経済的な原因による自殺や高齢者の孤独死などの「新型コロナ関連死」の数は感染による死を上回る規模で拡大する懸念もある。

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