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今期インフル終息、都内でも大成果、コロナ戦は超長期化か

投稿日 : 2020.04.12

東京都

神奈川県

新型コロナウイルス関連

全国での今シーズンのインフルエンザ流行が終息。厚労省は4月10日付けの流行レベルマップの公表をもって報告終了。感染者数は例年と比べ半減。新型コロナの感染拡大が続く都内においても、大きな成果を挙げた。新型コロナの動向とホテルの活用、「コロナ後」の経済社会システムを考える。

インフル感染数はコロナ対策で激減、都内も大きな成果

例年において流行期には月数千人単位で大きな死者を出している季節性インフルエンザ(旧稿「コロナ対策でインフルエンザの流行は昨年比で大幅減少か」参照)が今期終息を迎えた。

厚労省によると、今期の感染者数を2017/2018、2018/2019と3期の推移で比較したグラフは以下の通りとなる。

出典:厚労省

今期の感染者数は2019年末には例年通り急激な増加を示していたが2019,52週をピークとして、中国での新型コロナ感染が報じられた2020年に入ってからは横ばいへと転じ、例年ではピークを迎える2月半ばの2020,06週では急激な減少となり、4月前半の早期の終息を迎えた。結果として感染のピークは例年の半減以下にとどまり大きく抑制されたことが示された。

インフルの感染者数の激減は、新型コロナの感染が拡大する都内においても確認された。東京都の今期(2019.36-)を含む5カ年の感染者数を定点医療機関当たり患者報告数によって比較したグラフは以下の通りとなっている。

出典:東京都

当初、年末の51-53週にかけて今期の都内のインフル感染者数は例年を大きく上回る水準で推移していた。しかし、2020年の年明けから大きく減少へと転じ、3月末から4月初旬に当たる11-13週において収束へと向かったことがわかる。

新型コロナの都内を中心とした感染拡大により、一部の無防備な人々によるクラスターの多発など悪いニュースが注目されやすく大きく報じられるが、多くの都民を含む国民はコロナ対策のための感染症予防に真剣に取り組み、実際にインフル対策においては大きな成果を出していることにも目を向けたい。

長期戦を強いられている新型コロナとの戦いにおいて「コロナ疲れ」を防ぐためにも、一定の成果を挙げていることに自信を持つことも必要ではないか。

新型コロナとの戦いは1年を超える超長期となる可能性も

外務省によれば、主要各国と比較した日本の感染者数(4月11日時点)は以下の通りとなっている。

出典:外務省

国内において感染の拡大に歯止めがかかっていないことは周知の通りだが、欧米主要国の感染拡大のペースから比べると、日本の感染者数は依然として比較的低い水準に留まっている。

欧米各国において嘲笑や奇異の目にさらされる対象ですらあったマスクが一転して、これらの国で着用され始めていることからも日本の抑制に対する世界の注目度は高いと言える。

他方で、注目したいのは日本と同水準の感染者数の中にある以下の国々のグラフである。

出典:外務省

これらの国々の中に、インド、パキスタンやマレーシア、フィリピンといった山岳部などを除いては一般に熱帯と見なされる地域の国々が含まれていることである。

日本国内においてインフルが減少する4月に入ってからも気温による抑制が今のところ新型コロナにおいては確認されていないことに加えて、これらの熱帯地域における感染拡大は、「高温・多湿」により北半球では春、初夏から梅雨には感染が収束に向かうという楽観的な見通しに黄色信号が灯ったことを意味する。

もっとも、一般的にはインフルは寒い地域で冬に流行するが、東南アジアや南アジアにおいても毎年流行が確認されている。これは飛沫感染は多湿において起きにくいものの、エアコンにより湿度が低下しているケースや人の手につく接触感染が原因として考えられているという。(齋藤 玲子 新潟大学大学院教授「東南アジアにおけるインフルエンザの流行」参照)

このため、新型コロナが高温・多湿においても変わらず流行すると判断するには時期尚早と言える。

しかし、現状において夏場に終息して、秋に国内客についてはV字回復するという楽観的な見通しよりも、コロナとの戦いはワクチンが開発される(ないし開発されずに)1年以上先まで感染拡大と収束・再燃を繰り返しながら超長期に継続するという悲観的な見通しのほうが強まっているのは残念ながら事実であろう。

仮にそのような悲観的な見通しが現実化した場合には、ウイルスが感染拡大を続け、最終的に7-8割の人が感染して免疫ができることによって感染が止まるという「集団免疫」の考え方が世界的に実現するまで感染の終息を待たなくてはならないという恐れも出てくる。

「コロナ後」には新たな経済社会システムが誕生か

感染が拡大する首都圏では、すでに一部ホテルにおいてホテルを軽症者や無症状者向けに療養施設として活用するケースが始まっている。

観光庁からは、日本旅館協会、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟の各協会宛に、「新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアル」が4月8日付けで送付され、同マニュアルを含めて周知のため公表されている。

出典:厚労省(日本旅館協会HP

また、厚労省では新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)のなかで「8 軽症者等の宿泊療養を実施する宿泊施設等の運営者の方向け」として、施設運営に携わる労働者の感染防止を図るため施設の組織運営の観点から配慮すべき点、施設運営に携わる労働者に対して感染防止対策について指導を行う際に配慮すべき点、施設運営に携わる労働者が風邪症状を呈した場合にはどのように対応したらよいか、について説明をしている。

ホテルは新たな役割を期待され、全く新しい挑戦の時を迎えている。

新型コロナとの戦いは全世界を巻き込むものとなっており、今後の推移を正確に予測することはほとんど誰にも不可能だろう。

しかし、1年以上にわたり感染が抑止されない状況が仮に続く場合には、コロナ前の経済社会システムにいつ戻るのかではなく、コロナ後においては全く新しい経済社会システムとなり、それに順応した製品・サービスだけが生き残ることになる厳しい想定も合わせてしなくてはならないだろう。また、そのヒントは現在においても提供できているサービスの中にあると言えそうだ。

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