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新型コロナ致死率0.2%未満か、リスクをどこまで許容するか

投稿日 : 2020.04.29

指定なし

新型コロナウイルス関連

スタンフォード大学の研究や米ニューヨーク州の抗体調査によれば、新型コロナの実際の感染者数は公式発表の10倍以上になり、致死率に関しては当初の見込みよりも大幅に低くインフルエンザと同水準にとどまる模様。従来リスクと共存してきた社会において、どこまでのリスクを許容すべきなのか。

今月明らかになった米国での最新の研究調査結果によると、新型コロナの感染者数は従前確認されていたよりもはるかに多く、半面で致死率は当初想定の1/10以下にとどまることがわかってきた。

スタンフォード大がシリコンバレーの住人3,300人を対象に血液検査を実施したところ、推定2.5%から4.2%が新型コロナウイルスにすでに感染しているとの結果を得たという。確認されている感染者の50倍以上、致死率は0.2%未満となり、従来の予測よりも大幅に低い可能性が示された。

また、23日に発表されたニューヨーク州の抗体調査では、これまで26万3,000人の感染者が確認されているが、抗体検査の感染率の陽性が約14%であったことから、その10倍の約270万人が感染した可能性があるという。そのため、致死率は大幅に低くなり、感染者の約0.5%にとどまることになる。

厚労省の4月19日時点のデータによると、PCR検査により陽性が確認されている感染者の致死率は30代・40代では0.1%、50代では0.4%、60代では1.7%、70代では5.2%、80代では11.1%となっており、20代以下については死者が出ていない。

今後の感染拡大の抑止や海外での死亡事例もあることから若年層においても油断することは全く許されないが、高齢者にその死者数が集中していることは事実である。また、中でも基礎疾患がある人においてその危険性が高くなるという。

また、中国での感染拡大の当初より、新型コロナでは10代未満の子供の感染者数は少ないことが知られていたが、日本国内においても感染者の全体に占める10代未満の割合は1%程度となっており、子供への感染が多い季節性インフルエンザとは対照をなしている。

季節性インフルエンザ(年間1万人程度(旧稿 「コロナ対策でインフルエンザの流行は昨年比で大幅減少か」))や交通事故(3,215人、2019年警察庁)などで死亡する人が一定数いる社会に「コロナ前」から暮らしていた我々は、一定程度のリスクを許容し、共存する社会を選択してきたと言える。

また、米国の国土安全保障省は23日の会見で、紫外線や高温多湿の環境が新型コロナウイルスを減少させる効果があると発表。具体例として物の表面に付着した新型コロナの場合、気温22度、湿度が80%で夏の紫外線を受ける場合はウイルスは2分間で半減するとする研究結果を明らかにした。

同研究結果が正しいとすれば、新型コロナには季節性があることになり、日本列島では周知の通り、6月に入れば梅雨が訪れ(北海道をのぞく)、夏場は世界でも有数の高温多湿の環境となる。

100年ほど前に世界中で大流行したインフルエンザ「スペイン風邪」の際には第二波・三波が越年して訪れたことから、警戒を怠ることは禁物だが、夏場に感染のリスクが相当抑えられることは外出自粛を続ける「籠城戦」を続ける現在の我々にとって少なくとも一旦、「兵糧」をかき入れるゆとりができる朗報と言えるだろう。

他方で緊急事態宣言に伴う自粛要請により、観光業や飲食業を中心に倒産が相次いでおり、その規模も日を追うごとに拡大している。また、ドメスティック・バイオレンスや高齢者の孤独死のリスクも高まっている。感染予防と経済社会活動はトレードオフの関係にあることも確かだ。

抗体調査については日本国内でも日本赤十字社の献血を通じて開始されたがこうした最新の知見の検証が国内でも急がれると言えるだろう。

期限となる5月6日に向けて緊急事態宣言の解除・延長が一つの焦点となっているが、恐怖に煽られることなく、その判断においては判明している最新のデータに基づいて、延長の是非だけでなく、その適正な範囲や対象について、どこまで社会としてリスクを許容しうるのかという観点から慎重に考える必要があるだろう。

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