斎藤国土交通相は、当初7月前半の開始を目指していた観光需要喚起策「全国旅行支援」の開始時期について、延期を正式に決定した。また、全国旅行支援の開始延期に伴い、県民割の期限が延長される。
県民割は8月31日まで延長
斎藤国土交通相は14日、岸田首相との面会後、記者団の取材に応じ「現在の状況は、全国旅行支援を実施する状況にはないと判断した」と述べ、「今後、感染状況を注視しながら、改善が見られれば、速やかに実施する」と語った。今夏の感染状況次第では、開始時期が秋以降にずれ込む可能性がある。
全国の新型コロナウイルス感染者数は、13日に9万人を超えており、急拡大している。13日に開かれた厚生労働省の専門家会議で、新規感染者数が全国的に増加しており、今後も増加が続くことへの懸念が示されていた。
また、全国旅行支援の開始延期に伴い、7月14日までとなっていた「県民割」の期限を8月31日まで延長することも決定。県民割については、お盆期間の実施の可否を各都道府県の判断で決定できるようにしている。
県民割の延長決定を受け、各地で8月31日までの延長を発表する自治体が相次いでいる。ただし、大阪府の府民割「大阪いらっしゃいキャンペーン2022」は、7月14日の期限での終了を発表しており、東京都の都民割「もっとTokyo」についても、今後の実施は不透明だ。
全国旅行支援は、旅行者が鉄道などの公共交通機関を利用した場合、実質1万1,000円を上限に、旅行代金を補助する制度。当初は7月前半に開始し、お盆期間を除いて、8月末まで実施する構想だった。
県民割は、県内や近隣県などの旅行を対象に、1人1泊あたり最大7,000円分を、国が自治体に補助する制度。実際の割引やキャンペーン内容は、各都道府県によって異なる。