(出典:つくばグランドホテル)
料亭「つくば山水亭」などを経営するサンスイグループは、筑波山神社前に保有する「つくばグランドホテル」を米国の投資ファンド「フォートレス・インベストメント」へ売却することを決定した。売却後、9月末までの運営はサンスイグループが担当し、その後、フォートレス・インベストメントが経営権を取得する。
新経営の下で冬に改修工事を施され、来春に新ホテルとしてのオープンが予定されている。このホテルの従業員40人は、新ホテルの業務に継続して従事することとなる。コロナの影響や筑波山の魅力の不足を受け、サンスイグループはホテル事業の撤退を検討していた。この売却は、三菱商事の紹介により実現したものである。
フォートレス・インベストメントは運用資産が458億ドルという大型のファンドである。その子会社である「マイステイズ・ホテル・マネジメント」は、日本国内で144棟、2万888室の宿泊施設を運営しており、つくばグランドホテルもこれに続く施設として再オープンする予定である。
サンスイグループは、ホテルレストラン事業、ペット事業、教育事業の3部門から成る企業である。各部門の売上はほぼ均等であり、ホテルの撤退によりホテルレストランの売上は減少するが、日本語学校の生徒増加に伴い、今後はこの部門に期待が寄せられる。
つくばグランドホテルは、東郷家の祖父が購入した「旅館・筑波山水荘」を前身としており、父の代に現在のホテルへと建て替えられた。東郷家の家訓は「一つの業種にこだわらず、良い時期に新しい事業を始めること」であり、今回の撤退により、祖父と父の時代の事業は完全に終了することとなった。