福岡県福岡市に本拠を置くホテル運営の「株式会社SHI」は、福岡地裁から8月17日に破産開始決定を受けたことが明らかになった。
2016年設立の同社は、既存のマンションをホテルに転用したResidence Hotelの運営を手掛けていた。Residence Hotelはキッチン、冷蔵庫、洗濯機を設置し、「暮らすように泊まる」というコンセプトの下、ロングステイからショートステイまで幅広いニーズに対応していた。
福岡市内を中心に事業を展開し、インバウンド需要の高まりもあり直近の年間売上高は10億円を超えていたという。
しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって状況が一変した。インバウンド需要が消失したことに加え、移動自粛により国内旅行者も激減。リモートオフィスの提供を開始するなど業績回復の道を模索したものの、委託料請求訴訟など支払い面のトラブルもあり資金繰りに行き詰まった。
6月11日に事業を停止し、8月2日に福岡地裁に破産申請、同17日に破産開始決定を受けた。東京商工リサーチによると、負債総額は17億200万円の見通し。