リソル株式会社は、ツーリストホテルブランド「リソルホテルズ」全20施設で、訪日外国人向けオンライン診療サービス「HOTEL de DOCTOR24」を11月10日より導入した。
同サービスは滞在中に体調を崩した際、スマートフォンなどを使って24時間いつでも医師の診察を受けられる仕組み。英語・中国語・韓国語など22言語に対応し、通訳付きで診断書や処方箋の発行まで行えるのが特徴だ。増加する外国人宿泊者に、医療面での不安を減らす環境を整える狙いがある。
本記事では、「HOTEL de DOCTOR24」導入の経緯や期待される効果などについて、リソル株式会社に取材した。
――「HOTEL de DOCTOR24」を全20施設へ一斉導入するに至った背景と、最も強く必要性を感じた点をお聞かせいただけますでしょうか。
訪日外国人ゲストの増加に伴い、弊社ではこれまでも、外国語を話せるスタッフの採用や館内表記の多言語化など、受け入れ体制の整備を進めて参りました。
ただ、医療のように専門知識が必要な分野になると、たとえ外国語話者のスタッフであっても、症状や病名を正確にやり取りするのは難しく、結果として適切な病院をご紹介することが難しいという課題がありました。
また、医療に関わるご案内には常に重大な責任とリスクが伴います。その負担を少しでも軽減できるという点からも、このたび導入を決めました。

――訪日外国人宿泊者が増加する中で、医療サポートに関して現場で特に課題となっていた点はどのようなものでしたか。
難しい状況がありました。仮に~
→→難しく、仮に~
先ほど申し上げた通り、まずホテル側では、お客様の症状を正しく把握すること自体が難しく、仮に症状を把握できたとしても、その後、どの病院や医療サービスをご紹介するのが適切なのかを判断するのが非常に難しい、という課題がありました。
さらに、なんとか病院の紹介までたどり着いたとしても、受け入れ側の病院が外国語対応できないといったケースも多く、訪日外国人宿泊者が求めるサポートをホテルだけではどうしてもカバーしきれていないのが実情でした。
――オンライン診療サービスの導入によって、訪日外国人ゲストの滞在体験やホテル運営にどのような改善・変化を期待されているかお聞かせください。
第一に、外国人ゲストの方々が国内ゲストの方々同様、安心して旅行を楽しめる環境を整備したいと考えています。医療面での不安が軽減されることで、すべての旅行者にとって、より快適なホテル滞在を提供できることを期待しています。
またホテル側としても、従業員が安心してゲスト対応を行える環境を整えることで、顧客満足度のみならず、従業員のサービス品質向上にもつなげていきたいと考えています。

――サービス利用に際し、ホテルスタッフがどのような形で支援する想定なのか、実際のオペレーションやサポート体制についてお聞かせいただけますか。
本サービスは、外国人宿泊者とサービス提供者との契約となっており、ホテルとしては本サービスのご紹介にとどめています。
一方で、医療サービスに関するご相談のうち、緊急を要すると判断されるものについては、これまで同様に救急の手配を行うなど、適切なご案内ができるよう努めてまいります。
――今回の導入を踏まえ、今後さらに訪日外国人ゲストの安心・快適な滞在を支えるために、どのような取り組みや方向性をお考えでしょうか。
現在、弊社ではゲストの滞在サポートに特化した「サービスコーディネーター」というスタッフを各ホテルに配置し、お客様の求めるサービスや情報を提供できる環境を整備しています。
国内ゲストのみならず訪日外国人ゲストの方も快適に、安心してお過ごしいただけるよう、日本の宿泊施設での過ごし方や文化を適切にお伝えすることも重要だと考えています。今後も、ホテル内外を問わずさまざまなご案内ができるよう情報を整えながら、サポート体制をさらに充実させていきます。
■「HOTEL de DOCTOR24」概要
【料金】¥55,000(医師の診療、医療通訳、診断明細書、診断書および処方箋発行費用を含む)
【対象】外国人宿泊者
【サービス紹介サイト】https://www.hoteldedoctor24.com/
【ご利用方法】
①診療予約: スマートフォンやタブレット端末からオンラインで診療を予約。
②情報入力・支払: 氏名や症状などの必要情報を入力。
③Zoomを準備: スマートフォンに「Zoom」アプリをダウンロードし、準備。
④診察: 予約時間に、スマートフォンのビデオ通話を通じて、医師によるオンライン診察を実施。
⑤薬の受け取り: 診察の結果、薬が必要と判断された場合は処方箋が発行され、利用者が近隣の薬局で薬を受け取る。