新潟県佐渡市の「両津やまきホテル」を経営するやまきホテル(佐渡市)が1月27日に事業を停止し、債務整理を弁護士に一任した。負債総額は約11億円。今後は未定ながら、事業再開を目指してスポンサー企業を探し、営業再開を目指すことも視野に入れている。
96年3月期には約10億円の売上
帝国データバンク新潟支店などによると、やまきホテルは1946年に創業。同社が経営する両津やまきホテルは1978年に開業し、客室数は92室、430人を収納できる、佐渡島内で最大規模のホテルであった。コンベンションホールなども完備しており、高台から加茂湖や両津湾を望む眺望の良さや、秋津温泉の湯元とした露天風呂などで人気を集め、1996年3月期には約10億円の売上高を計上していた。
しかし近年は観光方面から佐渡島への来島者が減少傾向で佐渡島観光が低迷。さらに新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、島内を訪れる外国人観光客は、2018年の年間約9,000人から、2021年は約440人に減少した。こうしたインバウンド需要の消失や集客の低迷により、客足が激減し、2020年度の売上は約5000万円まで落ち込んだ。
同社は資金繰りの悪化や業績回復の見込みがないことから、自主再建を断念し、今年1月27日に事業を停止。今後は未定ながら、事業再開を目指してスポンサー企業を探し、営業再開を目指すことも視野に入れている。