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両津やまきホテルはなぜ事業停止?佐渡の老舗の閉業経緯と跡地の現在【2026年】

投稿日 : 2022.02.14 更新日 : 2026.08.21

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【2026年8月更新】2022年1月に事業停止した「両津やまきホテル」(新潟県佐渡市)は、2026年4月30日に旧運営会社が新潟地方裁判所佐渡支部から破産手続開始決定を受けた(負債総額約15億円)。建物は東京の企業に譲渡され、リノベーションのうえ2027年の宿泊施設開業を目指す計画が進んでいる。詳細は本文後半の追記を参照。以下は2022年2月時点の速報である。

新潟県佐渡市の「両津やまきホテル」を経営するやまきホテル(佐渡市)が1月27日に事業を停止し、債務整理を弁護士に一任した。負債総額は約11億円。今後は未定ながら、事業再開を目指してスポンサー企業を探し、営業再開を目指すことも視野に入れている。

96年3月期には約10億円の売上

出典:https://niigata-kankou.or.jp/

帝国データバンク新潟支店などによると、やまきホテルは1946年に創業。同社が経営する両津やまきホテルは1978年に開業し、客室数は92室、430人を収納できる、佐渡島内で最大規模のホテルであった。コンベンションホールなども完備しており、高台から加茂湖や両津湾を望む眺望の良さや、秋津温泉の湯元とした露天風呂などで人気を集め、1996年3月期には約10億円の売上高を計上していた。

しかし近年は観光方面から佐渡島への来島者が減少傾向で佐渡島観光が低迷。さらに新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、島内を訪れる外国人観光客は、2018年の年間約9,000人から、2021年は約440人に減少した。こうしたインバウンド需要の消失や集客の低迷により、客足が激減し、2020年度の売上は約5000万円まで落ち込んだ。

同社は資金繰りの悪化や業績回復の見込みがないことから、自主再建を断念し、今年1月27日に事業を停止。今後は未定ながら、事業再開を目指してスポンサー企業を探し、営業再開を目指すことも視野に入れている。

※ここから下は2026年8月時点の情報に基づく追記です(上記は2022年2月時点の速報記事を事実記録として残しています)。

事業停止・閉業の理由

両津やまきホテルの閉業は、単一の要因ではなく「佐渡観光の長期低迷」に「コロナ禍による需要消失」が重なった結果である。信用調査会社の倒産情報や報道を整理すると、経緯は次の通りとなる。

時期出来事
1946年運営会社(やまきホテル株式会社)が創業
1996年3月期売上高約10億円を計上(ピーク期)
2021年3月期コロナ禍で売上が約5,000万円まで減少(ピーク期の約20分の1)
2022年1月27日事業停止、債務整理を弁護士に一任(当時の負債約11億円)
2025年10月土地・建物が東京の企業へ譲渡される(後述)
2026年4月30日新潟地方裁判所佐渡支部より破産手続開始決定(負債総額約15億円)
両津やまきホテル閉業までの経緯(信用調査会社の倒産情報・報道より編集部作成)

閉業の理由として報じられているのは、主に次の3点である。

  • 佐渡観光の構造的な低迷:来島者数の減少傾向が長く続き、島内では近隣宿泊施設との競争も激化。ピーク期に約10億円あった売上は年々細っていた。
  • インバウンド需要の消失:台湾からのツアー客などに期待をかけたものの、コロナ禍で佐渡島を訪れる外国人観光客は2018年の年間約9,000人から2021年には約440人へ激減した。
  • 資金繰りの限界:2021年3月期の売上は約5,000万円まで落ち込み、業績回復の見込みが立たず自主再建を断念した。

事業停止当初は「スポンサー企業を探して営業再開を目指す」方針も示されていたが、同社としての再開は実現しなかった。運営会社はその後「株式会社山口」へ商号を変更したうえで清算手続きに入り、2026年4月30日付で新潟地裁佐渡支部から破産手続開始決定を受けた。負債総額は約15億円の見通しで、事業停止時点(約11億円)から約4億円増えている。

跡地・建物のその後(2026年時点)

結論から言えば、建物は解体されず、リノベーションによる宿泊施設としての再生が進められている。

報道によると、2025年10月上旬に東京の企業「ファンドクラウドホールディングス」(金融・不動産・ホテル開発などを手がける)が両津やまきホテルの土地・建物を取得した。同社は2025年11月、佐渡市長への説明の場で、建物をリノベーションして早ければ2027年に宿泊施設として開業させる計画を明らかにしている。報じられている計画の概要は次の通り。

  • 客室数:80室程度(旧ホテルは92室)
  • 収容人数:約200人を想定(旧ホテルは約430人収容)
  • ターゲット:国内外のファミリー層や少人数グループ。多様な価格帯を設定する方針
  • スケジュール:2026年春以降に着工、2027年の開業を目指す(同社の2025年11月13日付発表)

同社の発表では、単なるホテル再開ではなく「宿泊・温泉・飲食・地域体験拠点としての複合化」を検討するとしており、両津港近くの立地と温泉を生かした再生プロジェクトと位置づけられている。

なお、2026年8月時点で確認できる範囲では、新施設の名称・正式な開業日・料金などは未発表である。破産手続開始決定(2026年4月)の時点で土地・建物はすでに譲渡済みのため、破産手続き自体が再生プロジェクトを直接妨げるものではない。

佐渡・両津エリアの宿泊市場への影響

両津やまきホテルは客室数92室・約430人収容と佐渡島内で最大規模の宿泊施設であり、その退出は島の宿泊供給に大きな穴を空けた。編集部がOTA公開データを集計したところ、佐渡市内でOTAに価格を掲載する宿泊施設は月あたり14〜20軒(集計対象ベース、2025年8月〜2026年8月)にとどまり、冬季には掲載施設がさらに減る。92室クラスの離脱がいかに大きいかが分かる母数である。

一方、掲載価格は上昇基調にある。佐渡市の平均掲載価格(1室2名利用・1室あたり・税込)は次のように推移している。

月平均掲載価格集計施設数
2025年8月27,899円N=18
2025年11月21,379円N=18
2026年2月19,170円N=14
2026年5月26,051円N=19
2026年8月30,988円N=18
佐渡市の平均OTA掲載価格の推移(対象期間:2025年8月〜2026年8月、出典:ホテルバンク編集部調べ)

2026年8月の平均掲載価格は30,988円(N=18施設・414データポイント)で、前年同月比+11.1%(2025年8月:27,899円)。夏の観光シーズンと冬季の閑散期で価格・掲載施設数ともに振れ幅が大きく、供給が限られる島内では繁忙期に受け皿不足が価格を押し上げやすい構造がうかがえる。

この環境下で、旧・両津やまきホテルの建物が80室規模で再開業すれば、佐渡市のOTA掲載施設数(月14〜20軒)に対して1軒で島内最大級の客室供給が戻ることになり、繁忙期の受け皿不足の緩和や団体・ファミリー需要の取り込みなど、両津エリアの宿泊市場に与えるインパクトは大きい。2027年の開業目標が実現するか、今後の続報が注目される。

【集計方法と出典】宿泊価格・施設数はOTA公開データをもとにホテルバンク編集部が集計(1室2名利用・1室あたり料金・税込、対象期間:2025年8月〜2026年8月)。集計対象はデータを取得できた施設に限られ、佐渡市内の全宿泊施設数を示すものではない。閉業・破産手続き・跡地に関する記述は、信用調査会社の倒産情報、地元紙等の報道、取得企業の公表資料(2025年11月13日付)に基づく(2026年8月時点)。

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