ホテル特化型メディア

眠っていたデータから新たな付加価値を

トップ > ホテル関連ニュース > 【取材】声を聴いて物語を辿る宿泊型の物語体験『トワイライトリゾーツ 幽霊ホテル』

【取材】声を聴いて物語を辿る宿泊型の物語体験『トワイライトリゾーツ 幽霊ホテル』

投稿日 : 2026.03.02

長野県

ホテル関連ニュース

長野県・車山高原の宿泊施設「リゾートイン ライムライト」を舞台に、館内に残された“声”を手がかりに物語を辿る宿泊型体験『トワイライトリゾーツ 幽霊ホテル』が、2026年2月20日から始まった。企画・制作は株式会社夕暮れ、脚本は作家・梨が担当。

宿泊者は館内に点在する“青い光”に触れ、過去にこの場所を訪れた人々の声を聴きながら断片を集めていく。お化け屋敷のように恐怖を煽るのではなく、静かな高原の夜に小説を読む感覚で没入できる点が特徴だ。

本記事では、『トワイライトリゾーツ 幽霊ホテル』のこだわりや魅力などについて、株式会社夕暮れに取材した。

▷ウェブサイト:https://twilight.co.jp/resorts/yurei_hotel

―――「宿泊型の物語体験」という形にした狙いを教えてください。日帰りイベントではなく“一夜を過ごす”ことが、物語の受け取り方にどう作用すると考えていますか。

宿泊型の最大のメリットの1つは、「日常と非日常の境界線を完全に消失させること」にあります。日帰りイベントでは、どうしても「会場を出れば現実に戻る」という意識が働きます。しかし、宿泊型では、眠りに落ちる瞬間も、目覚めた瞬間の静寂もすべてが物語の一部になります。

また、事業者側のメリットとして、「滞在時間の最大化」と「客室の付加価値の再定義」があると思います。ただ寝るための場所だった客室が、一晩かけて没入する「舞台」へと変わる。ゲストが能動的に「この部屋に漂う気配」を探ろうとする姿勢によって、従来のサービス提供では得られない深いロイヤリティを生み出す効果が期待できます。

―――舞台となる「リゾートイン ライムライト」を選んだ理由は何でしょうか。車山高原という立地や“星空”が、作品設計の中でどのような役割を担っていますか。

今回ライムライトを経営される株式会社CHAMPION様とご一緒することになったのは、CHAMPION様の没入体験型コンテンツにかける熱い思いと研究姿勢に共感したからです。弊社が主導で制作したコンテンツではあるものの、現場でお客様をお迎えし、コンテンツを含めた宿泊体験の運営を担当するのはCHAMPION様です。そのCHAMPION様が体験の価値、お客様の満足度について十分理解して大事にしてくださるという確信がありました。

車山高原という立地から得られる標高1,600mの静寂と、視界を埋め尽くす星々は、この物語の天然の照明演出です。地域独自の自然資産を「眺める対象」から「物語の構成要素」へと昇華させることで、設備投資に頼らない独自の集客フックを構築しています。

―――「正解もクリアもない」体験である一方、初めての方は不安もありそうです。未経験者でも物語に入りやすくするための工夫を、可能な範囲で教えてください。

「何をすればいいかわからない」という不安は、没入の妨げになります。そのため、チェックイン直後から、ゲストの行動を優しく、かつ自然に誘導する「UX(ユーザーエクスペリエンス)デザインとしての物語」を徹底しています。

具体的には、フロントでの案内を「受付」ではなく「物語のプロローグ」として機能させ、客室に置かれたアイテムや仕掛けが、次に何をすべきかを無意識に指し示すように設計しています。「正解を探す」のではなく「小説を読み進めるようにゆったりとした時間を過ごす」体験であるということを宣伝からチェックイン時まで繰り返し説明することで、初心者の方でも気負わず物語の住人になれるよう配慮しています。

―――本作は「恐怖を煽るホラーではない」と明言されています。“幽霊ホテル”という題材を用いながら、どんな感情に着地してほしいのか、作品としての狙いを伺えますか。

私たちが提供したいのは「恐怖」ではなく、大切な誰かを想う時に感じる「切なさやぬくもり」です。

宿泊業において、ゲストが「心が洗われた」「またこの場所に帰ってきたい」と感じる感情価値は、リピート率に直結します。「幽霊」というフックを使いつつ、最終的にはホテルの静寂を慈しむような読後感(宿後感)を設計することで、幅広い層(カップルや一人旅の女性など)が手に取りやすいコンテンツに仕上げています。

―――星空が広がる高原のホテルで“声”に耳を澄ませる一夜として、参加者にどんな余韻や気づきを持ち帰ってほしいか、最後にメッセージとしてお聞かせください。

星空の下、耳を澄ませる一夜を通じて、「何かを願うことの切なさ、儚さ」を感じていただければ幸いです。

ホテルは単なる「宿泊施設」ではなく、「人生の1ページを刻むメディア(媒体)」になり得ます。「幽霊ホテル」での体験が、ゲストにとって「自分の人生を昨日よりも愛おしく思えるきっかけ」になればこれ以上の喜びはありません。

■「トワイライトリゾーツ 幽霊ホテル」開催概要

場所:リゾートイン ライムライト(星めぐる高原の劇場)
所在地:長野県茅野市北山3413-130
主催:WooHoo企画(株式会社CHAMPION)/企画制作:株式会社夕暮れ
ウェブサイト:https://twilight.co.jp/resorts/yurei_hotel
X(旧Twitter):https://x.com/Yurei_Hotel
Instagram:https://www.instagram.com/yurei_hotel

合わせて読みたい
  • 【取材】山中湖の森に1日1組限定宿「HO...

  • 【取材】白馬で「夏場集客」の独自ノウハウ...

  • 【取材】白馬に新たな宿泊施設「B&...

  • 【取材】宮大工建築の一棟貸し宿「SOLA...

関連記事