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【取材】「万平ホテル」大規模改修・改築工事を終え、グランドオープン

投稿日 : 2024.11.07

長野県

ホテル関連ニュース

「万平ホテル(所在地:長野県北佐久郡軽井沢町)」が、創業130周年記念事業として進めてきた大規模改修・改築工事を終え、2024年10月2日(水)にグランドオープンした。

同ホテルは、避暑地軽井沢で創業から一世紀を超える歴史を歩み続けるクラシックホテル。「130年の時をつなぐ万平ホスピタリティ~文化・歴史・自然を紡ぐ~」をコンセプトに、大規模改修・改築工事を進めていた。

本記事では、今回の大規模改修・改築工事について、万平ホテルに取材を行った。

▷ ホテル公式HP:https://mampei.co.jp/

―――まず、万平ホテルがどのようなホテルか教えていただけますか

「万平ホテル」は、避暑地軽井沢とともに一世紀を超える歴史を歩み続けるクラシックホテルです。2024年に1894 年(明治 27 年)の創業から 130 年を迎え、大規模改修・改築工事を実施いたしました。

1936 年(昭和 11 年)に建てられ、2018年(平成30年)に国の登録有形文化財に登録された「アルプス館」は、軽井沢の景観に調和したハーフ・ティンバー風の外観意匠や、和洋折衷の室内意匠などから、戦前・戦後を通じ、現在に至るまで数多くの著名人や政界人などに愛されてきました。

本改修・改築事業では、日本ホテル史上における貴重な歴史的建造物としての伝統を守り、長く未来にわたりクラシックホテルとしての格式ある滞在をお届けすることを目指してまいります。

―――リニューアルコンセプトについて教えてください

リニューアルコンセプトは、「130年の時を経てつなぐ万平ホスピタリティ~文化・歴史・自然を紡ぐ~」です。

浅間山の麓、標高1,000mの高原に広がる雄大な自然と冷涼な気候をもつ軽井沢。万平ホテルの創業者・佐藤万平は、軽井沢を避暑地として世に広めたふたりの外国人の滞在をきっかけに、外国人にも家のようにくつろいでもらいたいとの思いで、西洋の文化やライフスタイルを積極的に取り入れ、心からのおもてなしをしました。

ホテルとして開業してから130年。人々に長く愛されてきた理由は、一人一人のスタッフに受け継がれている、万平ホテルの温かいおもてなし「万平ホスピタリティ」があってこそのことです。

――― 今回の大規模改修・改築工事の前後で特に変わった点や注目してほしいポイントを教えてください

「変わること」よりも「変わらないこと」に重きを置いた改修となっています。数多くの賓客をもてなし、皆さまに愛されてきた「アルプス館」の外観は、ほとんど変えることなく補修を施し、元の姿を保っています。

ホテルエントランスの上に掲げられたホテル看板は創業当時から受け継がれたものをそのまま使い、ホテルを象徴するステンドグラスも一度外した上で嵌め直しています。エントランスのドアやレセプション上の軽井沢彫りの鏡なども改修前のもの修復して使うなど、昔からあるものをなるべく引継ぎつつ、現代の要素を取り入れてアップデートすることにこだわりました。

―――館内については、いかがでしょうか

▲アルプス館 イメージ

館内に入ってすぐの印象は元のままでありつつ、奥へ進むにつれて新しい万平ホテルの一面を感じていただける造りとしています。特にメインダイニングルームの奥に広がるサンルームは、従来のデザインを一新し、中庭を絵のように切り取る窓のアイアンワークのほか、床には北欧風の明るい色味のタイルを敷き詰め、これまでとは全く異なる印象のスペースに生まれ変わりました。

テラス付きの個室も新設し、小規模なウェディングにも対応いたします。中庭ではご宿泊者がゆったりとした時間を過ごせるよう、自由にご利用いただけるテーブルと椅子も配置しています。

客室で大きな変更点は、今回新築した愛宕館の30室は全室温泉付きとしています。これまで夏の避暑リゾートのイメージが強かった当ホテルですが、温泉があることで滞在スタイルも充実し、一年を通してお楽しみいただけるホテルに変わっていくことを目指しています。

▲アルプス館 客室 イメージ

アルプス館客室は従来の和洋折衷の間取りをそのままに、“万平格子”とも呼ばれる特徴的な格子模様の入ったガラス障子や丸いペンダントライト、軽井沢彫の家具や猫足のバスタブで、変わらぬ姿を感じていただけます。碓氷館はテラス付きのお部屋もご用意し、軽井沢の自然や空気を存分にお楽しみいただけます。

また、利便性・快適性にも配慮し、エントランスの階段はなくし、バリアフリーに。階段のみだったアルプス館にはエレベーターを新設しました。各客室及びダイニングルームの耐震・断熱性も高め、一年を通して快適にお過ごしいただけます。

―――改修・改築工事の際に苦労したことや配慮したポイントなどがあれば教えていただけますか

▲リニューアルを機に新築した愛宕館 客室 イメージ

従来からいらしていただいているお客様には「変わらない、帰ってきた」と思っていただき、初めていらしていただいたお客様には「古臭さを感じない、快適で居心地良い」と感じていただくことを念頭に改修を進めてまいりました。既にお越しいただいている以前からの顧客の方々にも、「変わっていなくて安心した、さらに快適になっていて嬉しい」とのお声をいただき、こちらも安心しております。

工事の面では、アルプス館は外観を可能な限り残すため、一度建物全体をジャッキアップして数10cm持ち上げ、耐震工事や修復を施した上で戻すという工程を踏んでおります。アルプス館前の植栽もなるべく元のものを生かして、極力伐採のないように配慮しています。

エントランス上とメインダイニングルームを飾る大きなステンドグラスは、一度改修のために外して別の場所で保管した上で、元の場所に嵌め直しました。当ホテルに息づく、簡単には作り出すことのできないクラシックホテルらしい雰囲気は、そういったところからも感じていただけるかと思います。

―――最後に今後の意気込みを教えてください

▲碓氷館 客室 イメージ

佐々木総支配人:

『おもてなしは心なり ホテルは人なり』万平ホテル創業より脈々と伝わってきた精神をこれから100年、200年先も万平ホテルに残っているように、変わらぬ万平、されどNEW万平。これからも変わらぬおもてなしでお客様をお迎えします。 

■万平ホテル 概要

開業日:2024年10月2日(水)
住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925
アクセス:軽井沢駅より徒歩約30分、タクシー約5分(2km)
ホテル施設:客室(全86室、36㎡~91㎡)、レストラン「メインダイニングルーム」(フランス料理)、カフェテラス、バー、ショップ、バンケット、ファンクションルーム、駐車場
ホテル公式HP:https://mampei.co.jp/

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