長野県白馬村の宿泊施設「ホテルアベスト八方アルデア」は、2024年12月21日、リニューアルオープンした。
白馬村はスキーリゾート地として世界中の観光客に親しまれる人気エリア。同ホテルは、日本の伝統技法と和モダンデザインを取り入れた空間づくりを進めることで、国内外の宿泊客に「信州」と「日本」の魅力をより深く感じられるような滞在を提供するとのこと。
本記事では、リニューアルの経緯やこだわりなどについて、ホテルアベスト八方アルデアに取材を行った。
▷ 公式サイト：https://www.hotelabest-happo.com/
―――どのような経緯で今回のリニューアルを決断されたのでしょうか？
白馬を訪れる外国人観光客の宿泊者数は、2017年から2019年の2年間で約2.5倍に増加しました。特にオーストラリアを中心とした欧米圏からのスキー目的の訪日客が多く、白馬は国際的なスノーリゾートとしての地位を確立していました。
しかし、新型コロナウイルスの影響による入国制限で、白馬村全体の観光業は大きな打撃を受けました。
それでも、インバウンド需要は必ず回復すると確信し、より魅力的な施設として生まれ変わるために、当社が運営するホテルアベスト八方アルデア、白馬龍神温泉RYOKAN SUI、ホテルアベスト白馬リゾートの3施設を大規模リニューアルしました。
―――リニューアル後にターゲット層の変化はありますか？
今期の宿泊者数は前年と比較して5％増加しました。引き続き宿泊客の大半は欧米系のスキー客であり、ターゲット層に大きな変化はありません。
しかし、インバウンド需要の回復に伴い、宿泊単価が上昇したにもかかわらず客室稼働が伸び、客単価は前年比70％アップしました。
―――リニューアルのデザイン面で特にこだわったポイントを教えてください。
客室のデザインには、白馬村ならではの魅力を感じてもらえるよう、地域性を取り入れました。例えば、白馬の山々をモチーフにしたデニムアートや、四季の移ろいを表現した手ぬぐい作品を各客室に展示しています。
これにより、宿泊者が白馬の自然や風景をより身近に感じられる空間を目指しました。
――― 伝統的な日本文化を取り入れたおもてなしについて、宿泊者の反応はいかがですか？
特に好評なのが、スタッフが法被を着て行う「切り火」のお見送りです。初めて見るお客様は「これは何？」と興味を持たれることが多いですが、「お客様の旅の安全や素晴らしい一日を願う、日本の伝統的な儀式です」と説明すると、とても喜ばれます。
特に海外のお客様は珍しい体験を楽しんでくださり、「もっとやってほしい」とリクエストされることも少なくありません。
―――「ホテルアベスト八方アルデア」の独自の強み、他施設との差別化ポイントを教えてください。
八方アルデア周辺にはペンション型や洋風の建物が多い中、当館はリニューアルを通じて和モダンのデザインを取り入れ、日本の伝統文化を発信できる施設へと生まれ変わりました。
館内には、白馬の自然をテーマにしたアート作品を取り入れたり、切り火の儀式をはじめとする日本の伝統的なおもてなしを導入したりすることで、ただ泊まるだけでなく「日本の文化に触れる」特別な体験を提供できる宿を目指しています。
―――今後の展開についてお聞かせください。
今回のリニューアルでは、フロントやロビー周りを大幅に改装しました。これにより、お客様同士やスタッフとの交流が生まれやすい空間を作りました。
宿泊は単なる「滞在」ではなく、人との触れ合いや温かい思い出を持ち帰ってもらう場でもあると考えています。ただ便利で快適なだけでなく、「人に寄り添うサービス」を大切にし、「また来たい、帰ってきたい」と思ってもらえるホテルを目指しています。
また、現在は冬季営業のみですが、今後は通年で白馬の魅力を楽しんでいただけるよう、さらなる展開を検討していきます。
■ホテル概要
名称：ホテルアベスト八方アルデア
TEL： 0261-72-6114
住所：〒399-9301長野県北安曇郡白馬村北城4878-3
交通アクセス：JR大糸線「白馬駅」より車で約10分
総客室数：全31室
公式サイト：https://www.hotelabest-happo.com/