2020年東京オリンピックのマラソンと競歩の札幌移転などを話し合う、IOC、大会組織員会、政府、東京都の4者会談が本日、1日都内で開かれ、都は「合意なき決定」(小池知事)を受け入れへ。IOCが最終決定権者として決定済みとして押し切った形で、今後強権的なIOCへの批判も高まりそうだ。
IOCの強権ぶりに批判も、ホテル2020戦略見直しへ
このほか、札幌への移転に伴って発生する追加経費については都が負担しないことでまとまった。
さらに、男女のマラソンを五輪では初となる同日に開催する案が国際陸上競技連盟で検討されており、競歩を含めた計5種目を3日間で実施する2つの案が検討されている。
東京でのマラソン競技の開催は、42.195キロに渡る沿道での数百万人の観戦客が予想されたため、沿道に立地するホテルを中心に大規模な宿泊需要の発生も見込まれたいた。
メトロエンジンリサーチによると、札幌市には宿泊施設が352施設、部屋数にして34,283室が提供されているが、東京23区の2,348施設、部屋数にして198,155室には遠く及ばない数字で、人口規模からしても動員する観戦客は限定的となる見込みだ。
すでに販売済みの競技場でのマラソンチケットや募集済みのボランティアなどをどうするのか、また札幌市内の開催に向けた準備が間に合うのかなど課題は山済みで混迷は続く。
今回の決定にあたっては、世界陸上2019ドーハでのマラソンのリタイアの多さや東京の暑さなどを理由として、IOCが開催都市に事前に協議することなく決定したことをそのまま強行した形で「元々暑いことがわかっていて、なぜ今の決定となったのか」「IOCの強権的決定」等の批判は今後も高まりそうだ。
五輪チケットが手に入らない「プラチナチケット化」するなかで唯一の「誰もが見れるオリンピック」種目として期待された花形競技の移転に、開催を楽しみにしていた都民や首都圏の観戦予定者はもちろん、ホテル業界をはじめとした観光関係者の落胆は大きい。
マラソン当日に向けた販売済みの予約のキャンセルなども見込まれ、ホテル・観光業界は2020戦略の見直しへとにわかに大きく舵を切ることとなる。
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