2月10日。京都市では宿泊施設の新設および増築・改築に際し、すべての客室のバリアフリー化を義務付ける条例改正案が発表された。
これまで、市内のバリアフリー基準の対象は廊下や浴場などの共用スペースにとどまっていたが、改正案では施設の規模を問わず、すべての客室について車椅子の利用者や高齢者、妊婦が利用しやすいよう配慮すべき基準が定められている。
具体的には、車椅子で移動できるよう、客室内の通路幅を100㎝以上とする、客室内は原則段差なしとする、バスやトイレ内に車椅子が進入できるスペースをとる、などの条項が盛り込まれた。
また、高齢者や障害者の利用者は階段での移動が困難であることから、共用部分の経路にはエレベーターの設置を義務付ける条項も追加された。これまで設置の義務が課されていたのは延べ面積1,000㎡以上の施設のみであった。
小規模施設で設置が困難な場合については、小型エレベーターやいす型階段昇降機の設置、地上階に客室があることなど、代替基準が定められている。
市によれば、施設の規模を問わず、全客室にバリアフリーの基準を定めるのは全国初だという。改正案は2月17日に開かれる議会に提出し、可決されれば今年10月から施行される見通しだ。