愛知県犬山市の木曽川沿いにある老舗旅館「犬山館」の本館が4月16日に閉館した。別館であるホテル棟は改修後、7月下旬の再開を予定している。
「犬山館」は、1947年に北折嘉教社長(81)の母が、木造三階の自宅を使って料理旅館を始めたのがはじまり。現在の「犬山館」の本館は鉄筋コンクリート6階建て、客室数は20。最上階の展望浴場から昼間は木曽川や犬山橋、夜間はライトアップされた犬山城や鵜飼いのかがり火などが見えると人気を集めてきた。
昭和時代は地元の成人式の二次会のほか、修学旅行、企業の研修旅行など、平成に入ると70名以上収容できる遮音ホールで24時間思う存分練習できることから吹奏楽やオーケストラの合宿地として利用されてきた。
本館の閉館の理由は、三代目である北折社長が体調を崩したこと。また、築50年が経ち、施設の老朽化が進み、コロナが収束後の見通しが立たないことから閉館を決めた。
本館は今後建物の取り壊しに入る。ホテル棟の再開・予約については、随時ホームページ等にて案内するという。
ホームページではこれまでの感謝を述べるとともに、「音楽合宿をメインにご利用いただいており、皆様の音楽の練習を聞く楽しみがなくなってしまうのはとても寂しいですが、思い出を大切に歩んでいきたいと思います」とコメントしている。