株式会社ホテル三日月とコアレックス信栄株式会社は、ホテルから排出される紙ごみの資源循環を目的としたリサイクル実証を共同で開始した。実証はホテル三日月・富士見亭を中心に実施され、客室内で発生する紙ごみや使用済みペーパータオルを回収し、コアレックスの再生紙製造技術によって溶解・再生する。再生されたトイレットペーパーはホテル三日月グループの各施設で再利用され、ホテル内で紙資源を循環させる仕組みの確立を目指すものである。
(出典:株式会社ホテル三日月)
ホテル三日月は、2024年4月に「サステナブルリゾート化計画」を発表し、「自社消費と新たな資源の創出による資源循環型ホテル」の実現を掲げている。今回の取り組みはその一環として、ホテル運営で発生する紙ごみを新たな資源へ再活用するものである。一方、コアレックス信栄は再生紙技術のリーディングカンパニーとして、使用済み紙資源を高品質な家庭紙へ再生する循環システムを構築しており、今回の実証は観光業と製紙業が連携する地域発のサーキュラーエコノミー実現に向けた新たな試みとなる。
この実証はホテル三日月にとって資源循環プロジェクトの第一弾であり、焼却や廃棄処分されていた紙ごみを再び“資源”としてホテルに還すことで、廃棄量の削減とCO₂排出抑制を同時に実現することを目指している。富士見亭で回収された紙ごみは、コアレックスの技術でトイレットペーパーとして再生され、ホテル三日月グループ内の各施設で再利用される予定である。また、コアレックスにとっても関東のリゾートホテルとの協働は初の取り組みとなる。
両社は今回の実証を皮切りに、紙資源リサイクルの対象拡大や全館での導入を検討している。ホテル三日月は「サステナブルリゾート」の実現に向け、コアレックスは「CORELEX CIRCULAR」の推進に向け、それぞれの技術と経験を生かしながら、持続可能な資源循環社会の構築を目指す。観光業と製紙業が連携することで、地域資源の有効活用と環境負荷低減の両立を図る新たなモデルを提示している。