佐賀県嬉野市に本拠を置く旅館経営の「有限会社グランド鳳陽」が、自己破産の準備に入ったことが明らかになった。新型コロナウイルスの影響による臨時休業や宿泊客が減ったことが原因。負債総額は約5億円の見通し。
代理人の弁護士によると、「湯心の宿 グランド鳳陽」は日韓関係の悪化などにより外国人観光客が減っていた中、設備投資などの負担もあり昨夏から資金繰りが厳しくなっていた。8月末までの臨時休業を公表していたが、新型コロナの影響を受け先行きの見通しが立たなくなったため、事業継続を断念。7月末に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入ったという。
「有限会社グランド鳳陽(新井邦子社長、資本金800万円)」は1957年設立、1967年に嬉野温泉にて客室数44室の温泉旅館「湯心の宿 グランド鳳陽」を開業。当地では業歴の長い宿泊業者として知られていた。
帝国データバンク佐賀支店によると、新型コロナウイルスの感染拡大に関連する県内の倒産は2例目。
担当弁護士には、大和幸四郎弁護士(武雄法律事務所)が任命されている。
<湯心の宿 グランド鳳陽>
- 住所:〒843-0304 佐賀県嬉野市嬉野町大字岩屋川内甲338-1
- 電話:0954-42-0185