福島県の双葉町では、「準備宿泊」のため帰省する町民に対し、ビジネスホテルの宿泊料金1泊あたり2,900円をを補助すると発表した。
原発事故から10年。帰宅困難区域の双葉町では、住宅などに滞在しながら生活の立て直しをはかる「準備宿泊」が来年1月よりスタートする。そこで双葉町は、準備宿泊のために帰省する町民に対し補助を行うことを決定した。町内の「ビジネスホテルARM双葉」を利用する場合、1泊4,900円のところを町が2,900円分が負担し、2,000円分で宿泊できる。
町は本事業のため、12月の町議会で年度内90泊分の補正予算案を提出する見通しだ。1日あたりの最大室数は40室。連泊にあたっての制限はないため、希望者はじっくりと腰をすえて再生活の準備を進めることができる。
準備宿泊は町民であれば誰でも参加可能。町は来年度以降も予算を確保し、宿泊補助を継続していく考えだ。なお、対象の「ビジネスホテルARM双葉」は今年5月に開業し、現在、町内で稼働している唯一の宿泊施設である。
双葉町はほかの帰還困難区域に先行して避難指示が解除される「特定復興再生拠点」に定められている。復興拠点は現在、双葉町のほかに6つの町村が選ばれており、2022年の春から準備が整った自治体で避難指示が解除される見通しだ。双葉町では来年6月までに町内全域の避難指示解除を目指しており、現在、町全体で準備を進めている。