3月11日。ビジネスホテル「ホテルビスタ」を運営しているビスタホテルマネジメント(東京都千代田区)が、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は37億円にのぼるという。
ビスタホテルマネジメントでは、昨年より新型コロナウイルスの影響でホテルの稼働率が低下しており、加えて緊急事態宣言が発令されたことで資金繰りが難航していた。利用客の減少に伴い業績は悪化の一途をたどり、自力での事業継続は困難と判断。3月11日付で東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日に保全・監督命令を受けた。
また申請当日に大手パチスロメーカーで航空機のリースなども手掛ける山佐(岡山県新見市)とスポンサー契約を締結した。今後は山佐の支援を受けながら営業を継続し、事業再建を目指すという。
ビスタホテルマネジメントは、東京都千代田区に本社を置くホテル運営会社で、2006年9月に設立。首都圏を中心にホテルを展開し、全国19店舗を運営、従業員は300人に達していた。近年は訪日外国人客の需要をつかみ売り上げを伸ばしていたが、新型コロナの影響で業績は低迷。2020年12月期の売上は昨年同月比で35億円減であった。
帝国データバンクによれば、2021年3月12日時点で新型コロナウイルス関連の倒産は全国に1150件。業種別では「飲食店」が186件で上位、「ホテル・旅館」は81件にのぼった。緊急事態宣言の発令に伴う飲食店への営業時短要請の影響は深刻で、宿泊業もGoToトラベルの全国停止により苦境に立たされている。