(出典:株式会社淡路島観光ホテル)
兵庫県洲本市の株式会社淡路島観光ホテルが運営する「あわかん~釣りと家族の体験型旅館~」は、2024年12月から新たな体験プログラム「お子さま若女将・若旦那体験」を開催している。この体験は2025年1月より本格的に実施され、宿泊者の3歳から12歳の子供を対象としている。
日本文化が薄れつつある現代において、旅館に宿泊すること自体が貴重な体験となりつつあるが、その旅館で、伝統的な「女将・旦那」の所作やふるまいを学ぶ体験プログラムを同ホテルは提供する。女将の美しい所作、旦那の心地よい接客を学ぶことで、日本人が大切にしてきた「おもてなしの心」を肌で感じることができる体験となる。
(出典:株式会社淡路島観光ホテル)
このプログラムでは、まず本物の女将から衣装の着付けやヘアセットを受けた後、挨拶の練習やロビーでの接客体験を行う。そして、最終的には自分の両親に料理を提供するという実践的な内容が含まれている。一連の体験を終えた後には、あわかんの女将から「若女将・若旦那認定の証」が贈呈される。
訪日外国人観光客数が過去最速で3000万人を突破した2024年度において、観光業界は日本経済の復活を支える重要な産業である。しかしながら、人口減少に伴う人材不足が宿泊業界には深刻な課題として存在している。外国人労働者の採用が進む中でも、日本文化の細やかな表現は日本人ならではのものであり、継承していく意義があるといえる。
宿泊業界は1000年の歴史を持ちながらも、他産業に比べて若者にとって魅力的ではないとされる現状がある。こうした背景の中、あわかんでは「宿泊業の素晴らしさ」を次世代に伝えるべく、この体験プログラムを企画した。子どもの頃の憧れが大人になった時に夢や目標となることを信じ、20年後の宿泊業界の未来を担う人材を育てることを目的としている。
このプログラムは事前予約制であり、参加費は一人3,300円(税込)となっている。また、体験付きの宿泊プランも用意されており、家族全員で楽しめる滞在が期待される。あわかんの代表取締役兼女将である上村早苗氏は、日本文化や旅館の魅力を子どもたちに伝えることが、世界で活躍できる人材育成につながると語っている。