世界をリードするロッジングオペレーター兼オーナーであるThe Ascott Limited(アスコット)は、キャピタランド・インベストメント・リミテッド(CLI)が100%出資するグローバル企業である。現在、世界40ヵ国220都市以上で展開しており、2023年までに16万室の獲得するという目標を達成した。第1四半期には4,000室以上の契約を締結し、今後5年間で手数料収入を2倍の5億シンガポールドル以上にすることを新たな目標として掲げた。(出典:The Ascott Limited)
アスコットの宿泊事業の手数料収入は、2022年度に前年度対比36%増となり、CLIの事業全体において手数料関連収益に大きく貢献している。過去5年間で急速な成長を遂げ、2018年の約56,000室から2022年には95,000室以上に達した。さらに、今年は70以上の施設で新たに13,500室以上の開業が予定されている。
新規開業や新規契約により、アスコットは年間約8~10%の客室数の増加を見込んでいる。CLIロッジングの最高経営責任者であるケビン・ゴーによれば、アセットライト戦略を採用し、5年ごとに客室数を倍増させている。この結果、2008年時の約2万室から現在の16万室へと急速に成長している。
2022年度の海外旅行需要の回復に伴い、利用可能な客室当たりの売上高(REVPAU)が前年度比40%増となり、好調な営業成績を収めている。アスコットは「Brand360」をグローバルに展開し、ブランドポートフォリオを強化するとともに、顧客満足度やロイヤリティの向上を目指している。
また、2019年後半に立ち上げたアスコットのロイヤリティプログラム、「Ascott Star Rewards(ASR)」は、コロナ禍においても飛躍的な成長を続けている。2022年には、ASRメンバー数が世界全体で36%増加し、メンバーシップからの収益が2021年時の5倍に達している。
アスコットはオーガニックグロースだけでなく、戦略的な合併や買収によっても拡大を続けている。過去数年間で、アスコットはSynergy Global Housing、クエスト・アパートメント・ホテルズ、Citadines Connect、そしてlyfなどの有力なブランドを買収・統合し、そのポートフォリオを拡大している。これにより、アスコットはさまざまな市場セグメントや顧客のニーズに対応できるようになっている。
さらに、持続可能性への取り組みも強化している。アスコットは、2020年に発表した環境、社会、ガバナンス(ESG)方針に従い、2030年までに温室効果ガス排出量を30%削減することを目指している。また、環境に配慮した建築や運営、リサイクルなどを積極的に推進しており、緑の建築資材や省エネ設備の導入にも力を入れている。
デジタル化も進めており、AIを活用したチャットボットやアプリケーション、予約システムの改善などで顧客サービスの向上を目指している。また、スマートホーム技術を導入することで、省エネ効果や快適な室内環境の実現に努めている。
アスコットは、市場の拡大と共に、環境に配慮したサービスやデジタル化による顧客満足度の向上に取り組むことで、今後もグローバルな競争力を維持し続けることが期待されている。持続可能な成長を目指し、そのポジションをさらに強化していくであろう。