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【取材】富山県立山町に交流と新たな文化が生まれる古民家宿「土肥邸母屋」10月1日開業

投稿日 : 2024.09.13

富山県

新規ホテル情報

前田薬品工業株式会社は、富山県中新川郡立山町に、古民家をリノベーションした複合施設「土肥邸母屋(どいていもや)」を10月1日に開業することを発表した。

築130年以上の歴史を持ち、かつて地域の交流拠点となっていた地元の名家を新たな文化や地域の発信拠点としてリノベーションしたという。

本記事では「土肥邸母屋」について、運営元の前田薬品工業株式会社に取材を行った。

▷ HP:https://doiteimoya.jp/

――― まず、古民家宿「土肥邸母屋」がどのような宿泊施設か教えていただけますか

富山県立山町にある「土肥邸母屋」は、築130年以上の歴史を持つ「旧土肥邸」をリノベーションした施設です。かつて、公民館のように地域の方々が集まり、交流の拠点となっていた地元の名家を、地域をはじめ多くの皆さまのご協力の元、新たな文化や地域の交流・発信拠点として再生しました。

「肥えた土をおこすように、交流と新たな文化が生まれる古民家」というコンセプトを持ち、地元の“おかん”たちが丹精込めて作る素朴な総菜や、地域の人々との交流を楽しみながら、そこにある日々の営みに触れることができる場でもあります。

屋敷林に囲まれた昔ながらの一軒家の中に、一棟貸し切り型の宿、食事処・総菜「土肥邸母屋台所」を有しています。共用スペースの土間、枠の内(天井が高い小上がりの畳の間)、シェアキッチンは、各種イベントなど一般レンタルも承っています。

宿には、ふすまで仕切られる和室2室と洋室1室があり最大12名がご宿泊可能です。ご宿泊者の方は、シェアキッチンと枠の内、土間をご利用いただけます。また、浴室のほかに、シャワールームを完備。アメニティには、弊社が製造販売を手掛ける富山県産のアロマブランド「Taroma」をご用意しています。

――― どのような経緯で「旧土肥邸」を古民家宿としてリノベーションすることになったのでしょうか

先行して、土肥邸母屋の周辺で「ヘルジアンウッド」を中核とした“村づくり”を行っていましたが、すぐ近くに空き家が出るという情報を聞きつけ、この空き家を何か再生できないかと考え始めたのがスタート地点でした。

それと同時期に、鎌倉でまちづくり会社を運営されている「エンジョイワークス」さんとの出会いがあり、実際に、「エンジョイワークス」さんが手掛けた、古民家を再生した宿に視察に行きました。

その際に、地域の人と旅行者が交わる場を創出していることに感銘を受け、具体的なイメージが湧いてきました。そして、私たちが大切に手掛けている“村づくり”のひとつとして、旧土肥邸の再生と人々が集い、交流が生まれる場を創るというプロジェクトが始動しました。

―――リノベーションするうえで苦労したことや配慮したポイントがあれば教えてください

やはり、築130年の古民家ということで、解体してみて初めてわかることやさまざまな問題がたくさんでてきました。それを旅館宿泊業や飲食業の許可申請に通るような建築物にアレンジしていくことに、想像以上のテクニックとコストがかかりました。

130年もの歴史のある古民家のリノベーションでしたので、ところどころに、この地域の暮らしぶりや、地元の名士のお宅だったことがうかがい知ることができるような建築要素や佇まいは、できる限り、残すようにしました。

―――どのような利用者層を想定していますか

一棟貸し切り型の宿ですので、ご家族でのご利用はもちろん、友人同士のグループや、企業研修などでもご利用いただければと思います。20代~30代の若い年代の方にもぜひご利用いただきたいですし、田舎暮らしを体感してみたい県外の方にも足を運んでいただければと思います。

地域の方が気軽に立ち寄ってお食事したり、カフェで談笑したりできる場でもありますので、ぜひ、地域の中に溶け込んでいただいて、会話や雰囲気を味わっていただけたらと思います。

夕食のご用意はありませんので、周辺の飲食店にお食事に出かけることで、この地域を体感していただけますし、地元のスーパーで買い物をしてシェアキッチンで調理することや、地元のシェフを呼んで富山の旬の料理を堪能していただくことも可能です。

――― 今後の展望として、「土肥邸母屋」を通じて地域にどのような変化や影響をもたらしたいと考えていますか?

過疎が進む地域ですが、元気なおじいちゃんやおばあちゃんがたくさんいらっしゃいます。この「土肥邸母屋」をきっかけに、まだまだ元気で働けて、人とつながる力を持っている方がもっと増えたら嬉しいです。実際に、「土肥邸母屋台所」では、回覧板で集まった地元の“おかん”も働いています。

そして、ここを訪れる人々が、ここでの時間を通して、滞在するだけではなく、いつかはここで暮らしてみたいと感じていただけたらと思います。この「土肥邸母屋」も“村づくり”の一部なので二拠点居住や移住者がこの地域に増えることを願っています。

ぜひ、この「土肥邸母屋」で田舎の祖父母の家に帰ってきたような「実家」感を味わっていただき「第二の実家」、「第二の故郷」としてこの地に親しみを持っていただければと思います。

■施設基本情報

屋 号:土肥邸母屋(読み仮名:どいていもや)
所在地:富山県中新川郡立山町日中上野98-1
TEL:080-5883-9497(10:00-18:00)
広 さ:建物442.69平米/敷地2738.86平米
開業日:2024年10月1日
駐車場:10台完備(ヘルジアンウッド駐車場も利用可)

【WEB】
HP:https://doiteimoya.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/doitei_moya

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