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【取材】築古オフィスビルを再生したブティックホテルへ『illi Haku Asakusa』開業

投稿日 : 2026.04.14

東京都

新規ホテル情報

東京・浅草で、築古オフィスビルを一棟まるごとブティックホテルへ再生する動きが始まった。株式会社BARE NOTE STUDIOは2026年3月、グループ滞在向けホテルブランド『illi Stays』初の一棟フルリノベーション拠点『illi Haku Asakusa』を開業した。

小規模な築古ビルはオフィス需要との適合が難しいケースもあるなか、同社は宿泊施設として再生し、収益化を図る方針だ。インバウンド需要が見込まれる浅草エリアで、遊休不動産の活用モデルとしても注目されそうだ。

本記事では、『illi Haku Asakusa』の特徴やこだわりなどについて、株式会社BARE NOTE STUDIOに取材した。

ホテル公式サイト

――― 今回の『illi Haku Asakusa』では、従来の「空中階・フロア単位での無人運営」から「一棟有人体制」へと運営モデルを変更されていますが、その背景と狙いについてお聞かせください。

▲502号室

『illi Stays』は、2025年3月末時点の10拠点運営から、2026年3月末には23拠点へと急速に店舗数を拡大いたしました。今後、『illi Stays』をより多くの方に知っていただき、親しんでいただけるホテルブランドへと成長させるために、その象徴となるフラッグシップを創ることが目的の1つにあります。

『illi Stays』の原点には、創業メンバーがシェアハウスで出会い、毎日のように顔を合わせ、時には朝まで語り明かした「お泊まり会(Sleepover)」のような原体験があります。

今回の『illi Haku Asakusa』では、その「Sleepover」をコンセプトに、一棟有人運営とすることで、客室だけでなくラウンジ(※)などの共有部においても、自然と人が集まり、遊び、語り合いたくなるような空間デザインを追求しています。

これまで以上に一人ひとりのお客様に寄り添い、「illi Staysがあるから、またこの街に来たい」と思っていただけるようなホテルを目指しています。

※ラウンジは2026年夏頃にオープン予定です。

――― 『illi Haku Asakusa』をブランド初のフラッグシップ拠点と位置づけるにあたり、今回の施設で特に表現したかった『illi Stays』らしさとはどのようなものだったのでしょうか。

▲501号室

『illi Stays』はこれまで、渋谷・新宿・下北沢といった、ファッションや音楽、多様な飲食文化、サブカルチャーが交差する都市に出店してまいりました。各エリアが持つ独自のカルチャーを丁寧に汲み取り、空間デザインやコンセプトへと昇華させることを大切にしています。

一方で、『illi Haku Asakusa』が位置する浅草は、これまでの出店エリアとは異なり、歴史的背景と下町ならではの情緒が色濃く残る街です。さらに、本物件に対するオーナー様の強い想いも踏まえ、地域性と建物への想いを両立させた空間づくりを追求しました。

その結果、『illi Haku Asakusa』は、illi Staysの持つブランドの一貫性を保ちながら、浅草の下町文化に根差した人情味あふれるホスピタリティと、街のスピリットを繊細に表現したデザインが新たな『illi Stays』らしさとなっています。

▲501号室

――― 築古オフィスビルを宿泊施設へ再生するにあたり、オフィス用途では制約になり得る空間条件を、宿泊用途ではどのような魅力や価値へ転換されたのでしょうか。

オフィスビルをホテルへと生まれ変わらせるには、水回りや電気容量、防音対策など、目に見えにくい部分で多くの試行錯誤がありました。それらの課題を一つひとつクリアしながら、この建物がもともと持っていた個性を「ここにしかない魅力」へと変えていきました。

特にこだわったのは、次の2つのポイントです。

1つ目は、窓の広さを活かした、光あふれるデザインです。
もともとの窓が床に近い位置から始まっていたため、ダイニングテーブルやソファベッドの高さもその窓のラインに合わせて低く設計しました。これにより、お部屋に入った瞬間に視界を遮るもののない、たっぷりの光を感じる開放感が生まれています。夜には窓際に施した間接照明がやわらかく灯り、大きなソファベッドがゆったりと寛げる特等席へと変わります。

▲502号室

2つ目は、天井の高さを活かした、のびやかなゆとりです。
もともとの天井高を可能な限りそのまま活かし、全室約50㎡という平面的な広さに加えて、縦方向のゆとりも確保しました。最大6名様でのグループ滞在でも圧迫感を感じにくい、のびやかなプライベート空間を実現しています。

▲502号室

――― 浅草・花川戸という街の歴史や文化、そして建物オーナー様の想いを、今回の施設の空間づくりや宿泊体験にどのように反映されたのか教えてください。

▲501号室

内装には、浅草の粋を感じさせる朱色や深みのある緑をアクセントとして取り入れ、キッチンには墨絵を思わせるタイルを配するなど、伝統的な趣をさりげなく織り込みました。

▲キッチン

また、お部屋を彩るアートには、浅草・花川戸が「履物の街」として育んできた職人文化や、隅田川、周辺の風景から着想を得たオリジナルデザインを採用しています。

滞在の中で、ふとした瞬間にこの街が持つ温かな歴史を感じていただけるような空間を目指しました。

▲室内アート

――― 最後に、『illi Haku Asakusa』を通じて、お客様にどのような滞在体験を届けたいと考えていらっしゃるのか、お聞かせください。

大人になってもふと思い出して笑顔になれる「お泊まり会」のような、大切な人たちと心ゆくまで愉しむひとときをお届けしたいと考えています。

ホテル名の由来である「箔(品格)」と「余白(安らぎ)」をテーマにした空間で、浅草の賑やかな空気を楽しんだ後は、まるで自宅に帰ってきたかのように、肩の力を抜いてお過ごしいただきたいです。

この場所に刻まれた半世紀以上の歴史と、滞在されるお客様自身の新しい物語が重なり合うような、温かく上質な滞在をお届けします。

■施設概要

施設名称:illi Haku Asakusa
所在地:東京都台東区花川戸2丁目8-11
アクセス:浅草駅徒歩6分
客室数:9室(2026年3月開業時点では8室)
収容人数:1室最大6名
建物構造:鉄骨造6階建
敷地面積:176.76㎡(53.47坪)
延床面積:645.28㎡(195.19坪)

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