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【取材】山陰の小京都「津和野」で古民家一棟貸施設『Wakatsuki tsuwano 離れ』2024年1月16日にオープン

投稿日 : 2023.12.28

島根県

新規ホテル情報

合同会社若槻は、島根県鹿足郡津和野町にて、300年の歴史を持つ旧橋本酒造場の一画をリノベーションした古民家一棟貸施設「Wakatsuki tsuwano 離れ」を開業すると発表した。

同施設は、今後予定している大規模改修計画の一区画に該当し、本件を皮切りに津和野地域、ひいては山陰地域一帯でのソーシャルデザイン事業を推進していく方針とのこと。

本記事では、古民家一棟貸施設「Wakatsuki tsuwano 離れ」開業の経緯やこだわりなどについて、合同会社若槻に取材を行った。

―――― まず、どのような経緯で「Wakatsuki tsuwano 離れ」を開業することになったのでしょうか

旧橋本酒造場(国登録有形文化財に登録)

本施設は、橋本本店様が300年以上前より酒造を営まれてきた建物の一部で、弊社にて旧酒造全体を昨年よりお借りしています。

私が初めて津和野に伺ったのは2019年ですが、当時から既に酒造りは辞められており、長年空き家にもなっていたことから荒廃も徐々に進んでいて、建物全体の保全と併せた利活用が急務な状況にありました。

私としても出来ることをご提案差し上げる中で、最終的には若い方に託してくださるという現オーナー様のご意向もあって、弊社で建物全体を保全しながら橋本本店様の想いも継がせて頂くとのお約束のもとでお借りするに至っています。

その中でも今回、離れの物件から手掛けた理由としましては、まずは「小さく生んで大きく育てる」との思想の下、施設全体とは切り離し独立する形でも開業が可能であったことが挙げられます。

今後、母屋ではレストラン等の本格的な開発を計画しているため、それを見据えた形で離れから先に開業したとの経緯になります。

――― 歴史的建造物である「旧橋本酒造場」の酒蔵をリノベーションするにあたって、課題や配慮した点などを教えてください

同施設の外観

離れ自体は国登録有形文化財には該当しませんでしたが、母屋や蔵がそれにあたりますため、施設全体としてみた時に何をどこまで出来るのか、を模索するところから検討しました。今回リノベーションした離れに関しても非常に躯体が立派ですので、それらを活かしたデザインとしていくことに配慮しています。

また津和野町全体としても、重要伝統的建造物群保存地区に認定されており、街並みの景観に合わせたデザインとする必要がありました。その中でも、「古民家を古民家として」リノベーションするのではなく、日本の伝統美の中にもモダンデザインを組み込んでいくようなデザインとすることで、町に溶け込みながらも宿泊体験としての付加価値を高めていくような工夫をしています。

――― 「Wakatsuki tsuwano 離れ」のこだわりやアピールポイントを教えてください

宿泊客専有サウナに続く外廊下

古民家を活用した一棟貸し切りの宿泊施設は、かつては珍しく訪日外国人にも喜ばれるものでしたが、今現在は日本全国においても多く生まれており、その差別化や事業の継続化が難しいとの声も聞かれています。

その中で私たちは、古民家であることを敢えて前面的な売りとはせず、日本の伝統美と掛け合わさったモダンデザインの空間や、中庭を望む専有の貸切サウナ等、通常の古民家宿泊施設にはあまり見られない形でのリノベーションを実施しています。

石州瓦のテラゾ

こうしたモダンな空間においても、津和野の背景や歴史、文脈をしっかりと組み入れることを大事に心掛けました。テラゾ(人造大理石)で壁床を覆われたダイニングキッチンや浴室は、どこかヨーロッパの伝統建築をも思わせる雰囲気ですが、テラゾには地域特有の赤い瓦(石州瓦)を入れ込むことで町や古民家との調和を図っています。

また寝室やラウンジにも石州和紙を一面に張っており、日本人特有の懐かしさが感じられる空間へと仕上がりました。

――― 今後は、「旧橋本酒造場」全体を開放していく方針とのことですが、どのような計画やイメージがあるのか教えていただけますか

第二期開発予定(今後計画が変更される可能性があります)

現在、宿泊事業は「若槻茶寮」と「Wakatsuki」との2ブランドでの展開を計画しており、次期開発においては若槻茶寮を1部屋とWakatsukiを2部屋の新規開業を目指しています。

若槻茶寮は、地域に1部屋しかない特別な部屋であり、Wakatsukiと比較してもハイブランドに位置付けられます。

またそれに伴い、レストランとショップの企画も並行して進めています。レストランは、津和野を含む石見地方を堪能できるガストロノミーレストランを予定しており、今後弊社事業のビジョンに共感頂けるシェフも募集していく予定です。

ショップに関しては、津和野の町の皆様にもヒアリングを重ねる中で、パン屋があったら嬉しいとの声が多く聞かれていたので、地域に根差したパン屋を招聘していきたいと考えています。

こうした活動を通じて、少しずつ事業を成長させていくとともに、文化や想いを引き継ぎながらも地域活性に資するような取り組みを、宿泊事業に固執せず生み出していきたいと願っています。

――― 最後に開業に向けての意気込みをお願いします

社名でもある「若槻」は、三日月の異称でもあり、新しい一歩や変化の兆し、またその一瞬を想起させるような言葉です。私たち若槻は、津和野において新しい一歩を踏み出し地域に変化をもたらすとともに、地域に暮らす方から観光で訪れる方まで、その一瞬一瞬の感動を感じ取って頂けるような施設運営を目指したいと願っています。

私たちは、まだまだようやく産声をあげたばかりの小さな宿泊施設ですが、長く愛されていくよう尽力してまいりますとともに、皆さまにも是非応援頂ければ幸いです。

■宿泊施設概要

施設名称:Wakatsuki tsuwano 離れ
所在地:島根県鹿足郡津和野町後田ロ220番地
アクセス:萩・石見空港(羽田空港より直通)から乗合タクシーで50分程度
対象面積:183.6㎡
定員:大人3名(オープン後暫くは定員2名でのサービスとなる予定です)
宿泊費:1室40,000円 ~
運営会社:合同会社若槻
運営協力機関:一般社団法人 津和野まちばぐみ

同施設オープンへの想い・背景
https://note.com/sdp_taka/n/ne6fd675df877

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