ホテルオークラは、モスクワ最大の空港、シェレメーチエヴォ国際空港の南側の開発地にホテルを建設予定。また極東のウラジオストクのホテル運営にも参画に向けて最終調整に入ったと見られる。
モスクワ、空港隣接ホテル開発、全300室「和のおもてなし」
ホテルオークラは、本年6月に 「AEON CORPORATION」(本社:ロシア連邦モスクワ市、会長:Roman Trotsenko)と、同社がモスクワ最大の空港、シェレメーチエヴォ国際空港の南側の開発地に建設予定のホテルに関し、運営受委託基本条件合意書を締結した。
AEON CORPORATIONは、シェレメーチエヴォ国際空港の南側に70haに及ぶ広大な敷地を有し、コンベンション、商業、オフィス等の施設の開発を手掛ける。今般、ホテルオークラが運営を受託する予定のホテルの敷地は、当該敷地に隣接する約7haの土地をホテルとして開発するもの。
シェレメーチエヴォ国際空港は、モスクワ市内から北北西に約25kmにある空港で、近年は新ターミナルの開業により、外国航空会社が乗り入れるようになり、ロシア最大の利用客数の空港となった。
2013年3月に国際空港評議会において欧州地区のエアポート・サービス・クオリティ・アワードを受賞するなど国際的な評価を得ている。
出典:ホテルオークラ
ホテルオークラは、初めてのロシア進出。これにより開業予定のホテルも含め、世界16の国と地域に87ホテルを展開するホテルグループとなる。
同ホテルは、延床面積 約30,000㎡で、総客室数は約300室。標準客室面積は約35㎡を想定。 シェレメーチエヴォ国際空港に隣接するホテルの中では、随一の広さを誇ることになる。
また、客室の他に、和食レストラン、オールデイダイニング等の飲食施設、様々な用途にご利用いただける宴会場と会議室、そして温浴施設等を備える。また、ホテルブランドおよびホテル名については、施設の詳細設計を進める中で、決定していく予定という。
日本的な温浴施設、本格的な日本料理とともに、日本に根差したホテルオークラグループならではの「和のおもてなし」を提供する。
【同ホテル 概要】
建設予定地:シェレメーチエヴォ国際空港の南側
延床面積:約30,000㎡
階数:地上7階程度
客室数:約300室
レストラン・バー:オールデイダイニング、日本料理 他
その他の施設:宴会場、会議室、温浴施設 ほか
アクセス:シェレメーチエヴォ国際空港から約600m
ウラジオストクにも2020年秋開業か
また、極東ウラジオストクでホテルオークラがホテル開業を最終検討。
日系ホテルのロシア進出としては、大手ビジネスチェーンの東横インが2020年にモスクワ中心部のクラスノセリスカヤ駅周辺でホテル開業を予定していると複数のロシアメディアがロシア当局の話として伝えている。
ホテルオークラもウラジオストクのホテル計画に参画を検討しているとされ、2020年秋には一部開業との報道も現地関係者の話として報じられている。
ロシアは国際的な原油価格の低迷やウクライナ危機を端とした米国による経済制裁などにより、近年経済成長が停滞しており、2018年の成長率は2017年をやや上回ったものの2.3%に留まっている。
近年ロシアでは日本側のビザ発給の緩和等により訪日旅行が激増しており、成田=ウラジオストク便がJAL、ANAともに2020年春には就航となる見込み。
相互訪問の拡大への期待感が日系ホテル進出を後押ししている。
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