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2017年訪日客伸び率トップ―訪日ロシア人激増の背景、特徴、展望とは

投稿日 : 2018.03.19

インバウンド

2017年の訪日ロシア人は7万7,200人。絶対数は多くないが、注目したいのが伸び率である。その伸び率は、国別トップの、実に40.8%ー急増する訪日ロシア人の背景、特徴や展望を追った。

 
訪日ロシア人増加の背景は、ビザの緩和
日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2017年の訪日外客数の前年からの伸び率で国別トップはロシアだった。2016年の訪日ロシア人は5万4,839人だったが、2017年は7万7,200人を記録した。前年からの伸び率は実に40.8%に達した。
 
これに大きく貢献したのは、2017年1月1日より、ロシアの短期滞在ビザの発給要件緩和措置が下記の通り実施されたことである。

(1)従来発給している商用の方や文化人・知識人に対する短期滞在数次ビザの発給対象者の範囲を拡大することに加え,最長の有効期間を現行の3年から5年に延長。
(2)これまで一次ビザのみであった観光等を目的とする短期滞在ビザについて,新たに数次ビザ(有効期間:3年,滞在期間:最長30日)を導入。
(3)自己支弁(負担)による渡航の場合,短期滞在ビザの身元保証書等の提出書類を省略。

 
また、極東地域発の新規就航及び増便が実現 し、航空運賃が値下がりしたことも影響した模様である。一人当たりの旅行支出額も19万9,220円(訪日客の平均は、15.4万円)で前年比4.4%増となったことから、旅行消費額は154億円で、前年比から実に46.9%の伸びとなった。年間700万人を超える中国や韓国といった国に比べると絶対数自体はまだまだ少ないものの、今後の伸びしろを考えるとロシア人の消費の動向はぜひ掴んでおきたいところだ。
 
若者が多く、一人旅が多い、滞在期間は長い
 
 

 

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」

 
訪日ロシア人の年代別のグラフを表したのが上記のグラフである。
最も特徴的なのは若年層の渡航者が多いことである。最も多かった年齢層は男性で30代、女性は20代であり、男女の20代・30代を合計した割合は、六割を超えた。このため、ロシア人向けに商品や企画を開発する場合には、20代・30代の若い世代に向けた開発が最も効果的と言えるだろう。
また、男女の割合では、3:2でやや男性が多い傾向にあるが、60代以上に限定すると女性が男性の2倍にのぼった。
 

訪日ロシア人の同行者割合

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」

 
次に上記の訪日ロシア人の同行者割合のグラフの通り、訪日ロシア人は一人旅が多いことも特徴である。48%と約半数の訪日ロシア人が「自分ひとり」、すなわち一人旅である。
このことから、訪日ロシア人向けの商品や企画は、一人旅用や、一人で参加しても違和感のないプランが求められると言える。
 
加えて、訪日ロシア人は平均泊数19.4日(訪日客の平均は9.1泊)となっており、長期にわたる滞在者が多いことも大きな特徴である。
 
総合すると、「若者」、「一人旅」、「長期滞在」、この3つのキーワードが訪日ロシア人の特徴であり、ニーズを満たす上で欠かせない要素と言えるだろう。
 
2018年ロシア年、W杯で、相互交流が拡大する
訪日ロシア人の渡航数はこれまで年によってばらつきがあったが、JNTOは2016年12月にモスクワ事務所を開設し、旅行会社向けセミナーやメディア招請、旅行博への出展など官民をあげた交流拡大に本腰を入れて取り組んでいる。
 
また、日本とロシア両政府は相互の観光交流拡大に向け取り組む姿勢を示しており、2018年には「ロシアにおける日本年」及び「日本におけるロシア年」を相互に開催し、ロシアでは政治、経済、文化、科学、教育、青年、スポーツ、自治体間交流、その他の分野など、多岐にわたって日本を紹介する行事が行われる。
 
さらに、ロシアは2018年夏にはサッカーのFIFAワールドカップを開催する予定となっており、日本からのロシアへの関心が高まり渡航も大幅に増加する見込みである。
 
相互交流の拡大により、ロシアからの訪日客は今後も大幅な増加の継続が予測される。
 
 
 
 

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